2016年秋アニメ第一週所感

いよいよ秋アニメが始まりまして、今期もかなりインパクトの強いアニメが多いなという印象です。

人気アニメの続編もオリジナルアニメもどれも期待できる作品ばかりで、今期も忙しくなりそうですね。

 

それでは今期もいってみましょう!

 

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 13話

非常に良い最終回でした。夏アニメで最後に観たのがねじ巻き精霊戦記で良かった。勝利を味わわせこれまでの話を上手く総括したうえで、PVで出てきたセリフを最後の最後のCパートでぶち込んで来期を期待させる絞めをするという華麗な幕引きで、この収まりの良さは他のアニメには真似できないなという終わり方だった。ヤスカワショウゴ氏が脚本・構成を担当しているだけあってやはり面白い。アクションシーンの作画も相変わらず良く、陰影の使い方の巧妙さなども相まって「マッドハウスが作って正解だったアニメだなあ」と心底から思った。大変面白く、良いアニメでした。ありがとうございました。

 

響け!ユーフォニアム2 (京都アニメーション) 1話

端的に申し上げて最高だった。1期の完成度もかくやというほどの出来でした。正直なところ1期の完結感がつよくて、2期はどうだろうと思っていたが1話で一気に持って行かれてしまった。監督をはじめスタッフさんは1期のままの方が多く安心して期待できるだろう。第1話の演出は監督の石原立也氏と、あの1期8話(夏祭り回)を手掛けた藤田春香氏だったが、本当に隙のない演出とつなぎで絶妙なバランスが保たれているとんでもない回だったと感じる。冬シーンに始まり「おや」と思わせてから1期からの続きに戻ったかと思うと、今までスポットライトが当たっていなかった鎧塚先輩に注目させ、更に1期でははっきり触れて来なかったこれまでの問題に触れつつ最後は宇治川花火大会で優勝するというこれでもかという程のラッシュで、一時たりとも目を離せないような作りになっていて感動した。いやーもうね、最高ですよ。期待するしかない。視聴確定!(あとオタクじゃないけど00年代のオタクなので「3秒ルール」で少し感動してしまった)

 

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (サンライズ) 26話

長井龍雪が天才過ぎる。何だこの1話は。いや本当に凄いよ。1話丸ごとPV並みの完成度で出て来るとは思わなかったので驚いた。脚本としても1期を清算しつつ未来に向けた期待と不安を感じさせるようなもので、岡田磨里氏の構成が光っていた。新しいモビルスーツはカッコいいしコンテのレイアウトは抜群だし演出も外連味溢れる出来だしでもう文句のつけようがなかった。マクギリスが部下と話しているときの、左右対称ではないが二人の目線の交点が画面の中心点になっているレイアウトなんかはもう美しくて唸ってしまうレベルで、そういうカットがかなり多かったという点でも評価できる。いやーほんと素晴らしい一話でした。今後もよろしくお願いします。

 

Occultic;Nine (A-1 Pictures) 1話

うおおい滅茶苦茶良い出来だなあおい! センスが良すぎる。テンポ感の絶妙さとカット単位で入る情報量の高い絵、行きつく暇もないセリフの嵐でただただ圧倒されるばかりだった。A-1だけあって作画が良いのは言うまでもないのだが、美術監督アイマスも手掛けた薄井久代さんという事もあり繊細で良く描き込まれた背景にぬるぬる動くキャラがスッと馴染んで超絶な映像美となっていた。良く動くおっぱいに可愛いキャラクター、その中に潜むグロテスクさが良いアンバランスさを醸し出していてひたすらにハイセンスだ。エロ・グロ・ナンセンスを現代アニメに落とし込んだ良い1話だったと思います。今期覇権候補として圧倒的な存在感を1話で出してきたOccultic;Nine、注目するしかない。

 

ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 (ProductionI.G.)1話

すんばらしい出来でした。ひゃー本当に良い。OPからして覇権の風格といったところ。初めの雪山が大鷲に代わるところからしてもうかっこいいのに、黒背景の中で一人一人の動きをバッチリ見せるという演出だったりとにかく良いところを上げればキリがないレベルだった。さすがは夏目真悟氏といったところ。本編に関しても圧倒的なクオリティで、個人的には選手呼名からのハイタッチのシーンで各々のタッチの仕方にこだわりが見えたり、思いっきり叩きつけられた後の手のひっこめ方などが好きだったのだが、そこに限らず全カットにおいて細部まで描かれぬかれている良さに圧倒された。1期2期に引き続き良いものを見せてもらえそうなので期待しています。

 

DRIFTERS (フッズエンターテイメント) 1話

良いっ! 陰影のつけ方がかなり特徴的で、影の多い背景は平野耕太氏の絵柄にかなり忠実な印象。インパクトも強く、レイアウトも良い、本当にバランスの取れた良い一話だったと思います。色彩設定が夜のヤッターマンも手掛けたのぼりはるこ氏という事もあってコントラスト強めの良い色味になっていると感じる。背景の繊細さと裏腹にアクションシーンでの豪快なモーションや人物をかなりアップに撮るレイアウトのアンバランスさが、ある種の不気味さをもって画面に浮き出てくるというのもまた良い。演出も上手く1話としての脚本のおさまりも大変良かったので観ていて爽快でした。期待したい一作。

 

装神少女まとい (WHITE FOX) 1話

キャラデザが滅茶苦茶好き。インパクトは大きく、かつ可愛くて適度に下品な1話だったなと感じます。まといちゃんとゆまちゃんが本当に可愛らしく、表現などのテンプレ昭和感も相まって良い具合に仕上がっていた。設定の考証が良くされているんだなというのが解るような脚本で、ギャグのセンスも程よく、シリアスに転んでもギャグに転んでもおかしくないと思わせられた。(たぶんシリアスに転ぶんだろうけど) 美術設定が青木薫氏である事も相まってビジュアル面でも期待できる。WHITE FOX初のオリアニだけあって気合いが入っているなと感じるので気合いを入れて視聴継続したい作品だ。

 

ステラのまほう (SILVER LINK.) 1話

可愛い。超可愛い。いやSILVER LINK.さんさすがですわ。柔らかい空気の作り方を本当に熟知されているというかもう大変良かったです。のんのんびより川面真也氏が監督を務められていて、スタッフさんも結構のんのんびよりのスタッフさんが担当されてたりするようなので期待できる一作。掴みとしてゆるすぎずかといって真剣すぎない雰囲気作りが良く、物語にスッと移入する事が出来る。背景に関しても非常に美しく、随所に入れられるパステルな色合いも相まって、物語の雰囲気にかなりマッチした画面になっている。良い。大変良いですよ。脚本が志茂さんという事もあって期待できる。視聴決定!

 

終末のイゼッタ (亜細亜堂) 1話

亜細亜堂か……亜細亜堂!? 割と露出の多いシーンもあったので本当に亜細亜堂が作ったのか再確認してしまった。1話としては面白そうというか、歴史異史ものという事で期待できる部分は多い。設定としてもWW2辺りを題材にしつつスチームパンク的なカプセルが出たり魔法が出てきたりとワクワク出来るようなもので面白い。フィーネも可愛らしくセクシーで良い。そして作画もリアリティのある動きと派手な演出が映えるような堅実かつ上質なもので、安定感と派手さの両立したいい作画だったと思います。脚本が吉野弘幸氏だったのでスケベ的アレがこのキャラたちに襲い掛かるのかと思うとなかなか悩ましいところはあるが、期待できる作品だと思います。

 

ブレイブウィッチーズ (SILVER LINK.) 1話

溢れ出る00年代感。いやー良いですね。1話として十分な掴みと主人公の性格が良く表れた脚本で、正統派という印象が強い。飛び抜けて良いという事はないが安定感のある作画で、やはり空や雷の表現は綺麗で良かった。ただ、3DCGモデルの質感がのっぺりしていて若干背景から浮いているような印書で、せめてOPは手描き作画であって欲しかったという感じがある。本筋に入るのは2話からのようなのでとりあえずは様子見といったところ。お姉ちゃんのおっぱい最高すぎるな?

 

ALL OUT!! (トムス・エンターテイメント×マッドハウス) 1話

うーーーーん絶妙にテンポ感が悪い。映像としては美しく、キャラクターの動きや表情も生き生きしており観ていて気持ちが良いのだが、キャラが立ちすぎていていまいち移入できないという部分もあっていまいち乗り切れない。間の悪さと微妙なギャグも相まって1話の輝かしさみたいなものが失われている感が否めない。ただ、ラグビーのアクションシーンでの動きや重量感の演出は迫真のもので、実在感と外連味が上手く混ざり合ったいい作画だったと思います。物語が進展するにつれて観ている時の移入感なども変わってくるだろうし、トムス・エンターテイメントとマッドハウスの合同という事もあるのでもう数話様子を見つつ判断したいところ。

 

TRICKSTAR -江戸川乱歩「少年探偵団」より- (トムス・エンターテイメント) 1話

うーん1話では何とも言えない感じだなあ。原案はあれどオリジナルという事でどう転ぶか楽しみなアニメではある。演出やカット割りなんかは上手くて面白かったのだが、セリフ回しやキャラのつけ方が割と極端で、脚本が最後まで筋が通っていないと大コケしそうだなという印象。絵柄的には作画がガクッと崩れるような事もなさそうな感じではあるのでその点では期待している。トムス・エンターテイメントだし何とかやってくれるんじゃないかという期待感もある。ただ、1話目の印象としては他の作品に比べると良いとまでは感じなかった。今後に期待しています。

 

ブブキ・ブランキ 星の巨人 (サンジゲン) 1話

相変わらず非常にダサいなあという印象を受ける。演出に関しては絶妙でBパート後半のシリアス部分からEDにかけての描写は上手くて良かった。3Dのモーションや表情に関しても1期でさえかなり豊かだったのに対して更にブラッシュアップされているような印象で、柔らかな肌の動き(おっぱいもそう)が良く表現されていて面白かったです。やっぱり監督の趣味というか趣向があまり理解できなくて批判的に観てしまったが、技術や演出に関しては目を見張る部分も多いので、しょーーーーもないセンスのギャグなんかには目を瞑りつつ観ていこうかなという感じ。

 

Vivid Strike! (セブン・アークス・ピクチャーズ) 1話

良いリョナアニメだ。なのはVividの続編のようだがかなりなのはVividを途中で切ってしまったのでいまいちピンと来ない。ただ、アクションのモーションや演出・特殊効果が良く、臨場感のある戦闘が演出されている。物語の筋自体もよくある格闘技もの(明日のジョー感がある)を踏襲しつつ1話で当座の目的が明確に示されており、解りやすくて良いものだ。キャラの数が多いのでいまいち覚えきれない人もいるかもしれないがまあその内おぼわるんでしょうという感じ。今後どうなるかはまだ判断しあぐねるような1話でした。

 

ろんぐらいだぁす! (アクタス) 1話

ちょっと私は無理ですねこれ。個人的に東山奈央が嫌いだからというのもあるが、どうしても亜美のキャラがキツく感じてならない。感受性が豊かみたいな設定なのかもしれないが、正直当たり前の事を大袈裟に言うめんどくさい女としか捉えられなくて観ているのが苦痛だった。作画に関しては物凄く丁寧で、特に陰影のつけ方や色合いの穏やかさなど美しい要素が多かった。CGも手書き部分と良くマッチするようになっていてよかったと思います。ただ、サイクリング時のCG背景が直線的すぎてかなり不気味だったのでその辺りは評価できない。はたしてアクタスはこの作画クオリティで最終話まで走る事が出来るのだろうか。(キャラが無理すぎて最終話まで観ない可能性が高い)

 

レガリア The Three Sacred Stars (アクタス) 5話

完全に優勝してしまった。いやお疲れさまです。おかえりなさい。あのねえ、もうレガリアの何が良いっておっさんがかっこよくてメカとか必殺技が最高に男の子なところなんだよなあ。何だよグラファイト・チャージって。最高かよ。最高だよ。物語自体はまあ大した事も無くて、ユイが決心してレナがレガリアから力を貸してもらうといういわゆる王道展開なんだが、アーベルさんが最後に「イングリッド様を頼みます」と告げて去っていくところなんか特に背景にある様々な設定・思惑が表れていて好きだった。単なる百合ロボアニメだと思ってたら、とんでもないほどおっさんがカッコいいおっさんアニメだった……。騙されたけど最高だ……。ありがとう。これからも頑張ってください……。

 

DAYS (MAPPA) 13話

良いっ! 特にAパートの作画と背景が抜群に良い回でした。いやー初めのジョギングシーンからのぞみちゃんに会うところまででちょっと感動してしまった。コントラストの強い夏っぽい配色に映像と同期する息遣い、一粒ずつが輝く汗など、かなり出来のいいカットが多く素晴らしかった。Bパートに関しては相変わらずのという感じだったが、茶番感も不快でない程度で全体的に質の良い一話に仕上がっていたと思います。脚本はまあこれからの話の始まりって感じだったので程良いなという印象。良い回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 27話

うーん作画。かなり作画の質が悪くなってますね。新クール初話にしては雑な仕上がりで枚数も少ない。色彩に関しても深い色が多用されている事もあってあまりキリッとは映えない印象。物語自体が本筋にあまり関わらない部分なのでまあいいかなとは感じるが、それでもちょっと厳しい部分がある。脚本は落ち着いたというか平坦なもので、最後のチンチロチンで1,2,3を露伴が出した時の演出がかなりビビッドだった事が印象的だった程度。やはり作画に足を引っ張られている印象の強い回でした。

2016年夏アニメ私感

2016年夏アニメもすべて終了いたしまして。

今期も良い作品が目白押しだっただけに観るのが大変でした。嬉しい忙しさです。

 

今回も独断と偏見でアニメを

S: 非常にオススメ出来る作品

A: オススメ出来る作品

B: オススメする程ではない作品

C: オススメ出来ない作品

D: 切った作品

の5つに分類しました。ネタバレも多少含みますのでご承知ください。

ちなみにDの切った作品では切った理由を述べるという形になっています。

 

では今期の総評いってみましょう!

 

S: 非常にオススメ出来る作品

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント)

非常に世界観づくりが上手く、優しく引き込まれる作品。パステルな色合いと可愛らしいキャラデザが相まって、キャラクター(特につむぎちゃん)の仕草やちょっとした目線の動きが映える。特筆すべきはその温かくも考えさせられる脚本で、毎回はっと思わせられるセリフや描写があった。作画に関しても特に調理時などの食材描写が非常に良く、全体的なバランスが取れており好印象。7話でつむぎちゃんの想像の世界が音楽と共に描かれる表現や8話で海に落ちた時の表現など、挑戦的な点も多くかなり良い作品でした。今期で最も愛をくれて、最も温かくしてくれた作品でした。ありがとう。

 

モブサイコ100 (ボンズ)

モブサイコ100の最も素晴らしいところはその作画だ。特に回り込みやパンなどの激しい動きのアクションにあっても、空気の流れや中割りなどの工夫が感じられる繊細にして大胆な良作画だったと感じる。作画に関しては本当に今期イチだった。また色彩のセンスが抜群によく、ビビッドで蛍光色を上手く配した色彩が目を引いた。脚本に関してはONEさんの原作があるから面白いは面白いのだが、セリフなどの間の取り方が上手く、声優(特に大塚明夫櫻井孝宏)の力を最大限に引き出すギャグセンスだったと感じる。観ていて本当に面白く、一時たりとも目を離せない良い作品でした。素晴らしい。 

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF)

美しい背景と人の心の機微を良く描いた作品でした。てことぴかりという2人の関係からてこの内面が少しずつ変わっていく様子を描いた物語だったが、その穏やかな空気感と自然な心情描写からスッとてこの感情に移入して物語を観る事が出来た。また、デフォルメのタイミングの巧さやその可愛さの洗練され方は絶妙で、愛らしいモーションなどと共に楽しむ事が出来た。またちゃ顧問やお姫の動きの良さは随一で、心の底から可愛いと思えた。おそらくは人を選ぶ作品だが、これほど人の心を繊細に描いた作品も珍しいのでSとさせて頂きました。大変良い作品でした。

 

NEWGAME! (動画工房)

NEWGAME!はいいぞ。始まる前は「いやーこれはアニメ化しない方が良いでしょ」くらいに思っていたが、動画工房さんが形にしてくれました。ありがとう!女の子の可愛い様子を大変良く表現しているアニメで、ひたすら心を救われた。作画は丁寧でクオリティに変化がなく、動きに本当に力を入れているなというのが解る出来だった。特に青葉ちゃんの着替えシーンなどは素晴らしいモーションの凝り方で、髪や布の流れがかなり自然だった。中割りの巧さが光る作品だったと感じる。物語自体も上手く12話で収められており、一話毎の構成もバランス良く楽しめるよう作られていた。日常系アニメの入り口としても紹介できる作品だったと感じます。大変良かったです。

 

A: オススメ出来る作品

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable)

ufotableの作画力やCG力が存分に生かされている作品。特にパーティクルの表現が精密かつ繊細で、空気の流れや物体の動く様が手に取るように解るようになっているのが本当に凄い。どうなってんだアレは。脚本としては王道展開ながら毎話区切りとなる戦闘があり、見せ所が浮かび上がる構成になっている。正直雰囲気アニメという部分が強いが、その分雰囲気をしっかり作り上げているので見ごたえがある。本当に作画と雰囲気が強すぎて脚本が弱く感じてしまったりする部分も多く、総合的に見れば非常にオススメ出来るとは言えないというだけで、Aの中でも随一の良アニメだと思います。良い作品でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ)

本当に面白い作品でした。王道と非王道、古めかしい表現と近未来的な設定とが複雑なバランスで組み合わさっており、脚本・演出などが抜群に良い作品だったと感じる。1期も面白かったが2期はよりギャグ目線で意欲的で、キャラを強く生かした特撮的な面白さを追求していたように感じる。「男の子」なら好きにならざるを得ないような熱い展開やギミックなど、それらが違和感なく物語に馴染むようによく全体が調整されていて大変面白い。ただ、作画がかなり崩れていた事(H×Hなんてしょうもないものを作ってないでこっちに人員を回してくれ)や終盤(特に最終話)で駆け足になっていた事も鑑みて、大変オススメ出来るとは言い難い。3期もあるという事で次も期待したいところ。

 

クロムクロ (P.A.WORKS)

いやあ良い作品でした。ありがとうクロムクロ、ありがとうP.A.WORKSP.A.WORKSにしては少し異色の作品だったように感じるが、最後の最後までしっかり纏め上げられた作品だったと思います。とにかく脚本が絶妙で、登場人物の個性とその思想が言葉や所作から伺えるような作りになっていた。全体の設定や何かに関してはSFらしさもありつつ最後には大団円を迎えるような構成で、何から何まで目新しさと面白さで目白押しだった印象。作画については序盤がかなり良く、終盤ダレてきたというか崩れが見られる部分もあったが、最終話でしっかり取り戻してくれたので良かった。(ちょっと怪しかったけど) ともあれ全体的に見れば本当に良い作品で、作画の崩れと終盤の駆け足感が無ければSに入れていた作品でした。良い作品でした。ありがとうございました。

 

91Days (朱夏)

作画崩壊さえなければ本当に良いアニメでした。シリーズ構成と脚本の大半を岸本卓氏が担当しているだけあって、やはり背景設定や人間の思考などかなり重厚なストーリーを味わう事が出来る作品。1~4話に関しては作画・背景など諸々込みで文句なしに質の高いアニメなので是非観て欲しいのだが、5話から凋落が始まり7話で完全に死んでしまった後そのまま作画は低空飛行でゴールインという状態だったのが本当に惜しい。演出なども凝っており、コンテのレイアウトも安定して良いものだったという事もあって残念だが、脚本に関してはまれに観る良ピカレスクロマンだった。作画以外は一級品の良い作品でした。

 

食戟のソーマ 弐ノ皿 (J.C.STAFF)

1期に引き続き大変良いクオリティ。全体的におはだけが少なくなりおっさんのおはだけの割合が高くなっていたが、お話としてはやはり十分に面白かった。個人的に薙切アリスちゃんの出番が多くてシコチャンスだらけだったのが最高だ。いや最高でしょ薙切アリスちゃん。前半はJ.C.STAFFだけあって作画のクオリティも高く質の良いアニメという感じだったのだが、スタジエールが始まったあたりから作画の質がグッと落ちたのは制作が詰まっていたという事もあるのだろうが残念だ。全体的に非常にテンポが早勝ったという点も踏まえてSには入れませんでしたが、良いアニメである事は確かだ。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス)

正統派軍記物アニメでした。いや滅茶苦茶良かった。本当に良い作品でした。はじめはキャラデザが気に食わなくてなんだかな~うーんと思っていたのだが、構成をヤスカワショウゴ氏が手掛けているだけあって非常に完成度の高い物語と描写が特徴的で、最終話になる頃にはまだかまだかと放送を待ち侘びる程だった。マッドハウスが作っているだけあって映像がかなり美しく、細かいところまで美術設定が行き届いていたのが印象的。文化的な背景が暗に示されつつもそれが良いアクセントになるような構成で、観ていて飽きないアニメでした。アクション作画も唸る程繊細美麗で大変良い作品でした。確実に2期もあるので楽しみにしています。ありがとうございました。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio)

やはりジョジョは安定して面白いしクオリティも高い。やっぱり原作が面白いものを1期から継続してノウハウがあるdavid studioが作るとそりゃ面白くなるよねという感じだ。全体的にバランスも良く、間の取り方や単話としてのシナリオ完結具合も素晴らしい。ただ作画に関しては海外メインの回が増えており、そこが不安定になるポイントだったように思う。1クール目序盤は色彩の指定も目新しさがあり統一感もあったのだが、現クールではその統一感が若干失われている回が見受けられたのでその辺りも評価しづらいポイントだ。もちろん総合的に見れば良い作品でした。

 

B: オススメするほどではない作品

DAYS (MAPPA)

まあ熱血だよねというだけのアニメ。登場人物がみんな清々しい男子高校生って感じなのでスッキリと観る事が出来るが、ただただ走って頑張るだけのアニメなので、12話終えての発展性がない。最終話で何となく精神面での変化のようなものを観る事が出来たが、そこまではともかく熱血。走る馬鹿を観て一緒に熱くなって終われるだけの人には是非観て欲しいアニメだが、何かを得られるかというと他のものを観た方が良いかもねという感じ。作画はMAPPAだけに安定はしている。オススメする程ではない。

 

C: オススメ出来ない作品

マクロスΔ (サテライト)

マクロスシリーズの中では駄作だなあという印象。背景の美しさや美術設定に関しては今期でも随一だが、脚本や作画があまりよろしくない。脚本は敵側の設定がしっかりしたもので、相手の意図やそういったものが汲めるように出来ているのだが、主人公陣営はそれを叩く事を目標とした主義なき戦いになっているという点で移入がしづらい。 また、最終的に強烈な色恋沙汰の精神論でぶち抜くだけなので食傷。歌姫であるはずの美雲さんがかなり不遇でメインを張る機会が少なく、東山奈央なりが歌を邪魔しているという印象も強かった。正直なところ期待していただけに残念だ。

 

Rewrite (エイトビット)

1クールで終わる事を前提としていないのはわかるがあまりにもお粗末な出来。作画に関しては特にそうで、中盤以降作画がひどすぎて物語に集中できないレベルなのは如何なものだろうか。確かに序盤の掴みや全体の物語の流れに関してはkey作品らしい良いものだなと感じるが、一話一話の脚本や情報の分量がかなり雑。非日常パートに移ってからの展開の速さと作画の雑さが相まってどうにも処理できない状態になっていたのが非常に厳しい。あと最終話での花澤香菜の演技が滅茶苦茶に下手で、声優にあまり興味がない私としてもあれは腹が立ってしまうレベルだった。次期は観ません。

 

D: 途中で切った作品

この美術部には問題がある! (feel.)

この美を切ったのはひとえに自分の不甲斐なさの致すところというか、恋愛ものを観るのがしんどかったというただただその理由だけなのでまたいつか観られるようになったら観ます。作画が非常によく中割りの工夫やもういろいろが大変良かったんですが如何ともし難い丹田のモヤモヤがですね。はい。

 

クオリディア・コード (A-1 Pictures)

いやもうキャラがキツいのが無理だったんだけど、それを我慢して観ていたら作画崩壊ですよ。観ていられないなと思って切りました。以上。

 

チア男子‼ (ブレインズベース)

単に時間があれば観ていたかもしれないが、正直頑張ってる男子大学生を観るのがキツいという部分もあった。まあモーションの作画は大変良くて、特に演舞の部分に関してはもう文句のつけようもないというか大変素晴らしかったのだが、それ以外の部分がかなり蛇足に感じてしまったというのも観なくなった理由のひとつではある。もう少し高頻度で良作画が現れていれば視聴継続していたかもしれない。

 

タブー・タトゥー (J.C.STAFF)

アクション作画は大変良かったと思います。というか監督が出す回り込みやPANの激しいアクションをよくあそこまで捌けたなあという印象。さすがJ.C.STAFF。しかし如何せんあの空気感というかシーンぶつ切りの演出や臭すぎるセリフ回し、空気をぶち壊す下ネタなどがどうにも性に合わず切りました。あれは監督のオナニーでしょ。

 

魔装学園H×H (プロダクションアイムズ)

魔装学園はちんちんのみをターゲットにしたアニメなんだろうけど単にちんちんがそこまで欲しなかったというのが切った理由でありそれ以上でもそれ以下でもない。というかスケベメインの作品ならもうちょっとスケベ作画を何とかしてくれ。

2016年夏アニメ第十三週所感

夏アニメ最終週という事で、ねじ巻き精霊戦記を除いた今期終了アニメは全て終わりましたね。

どの作品も個性的な最終回を迎えており大変面白い週でした。

来週にはまた総括を上げようと思うのでそちらもご査収いただければ。

 

それでは今週もいってみましょう!

 

モブサイコ100 (ボンズ) 12話

最終話の構成としてはかなり良い纏め方だったなと感じる。中盤以降出番が減っていた霊験に大活躍の場を与えて「師匠」としての頼もしさを思い出させてくれた上で、そのユニークさの元である口達者な部分を十二分に生かしているという点でキャラをよく把握した作りに感動した。脚本のテンポ感も12話全体でほぼ一定で、最終話まで観た上で瀬古浩司氏の手腕の高さをやはりひしひしと感じる。第1話同様監督である立川譲氏がコンテ・演出を務めていたが、レイアウトや演出のクオリティの高さがずば抜けており、これまでの回の総決算として良く出来た回だったように思います。二期もありそうな終わり方だったので次も期待しています。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 12話

はい最高でした。やっぱりあまんちゅ!はてことぴかりの物語だったんだよなあという事を第1話からの回想やてこの言葉から再確認させてくれる大変良い回だった。海の中の描写は控えめだったからこそむしろてこの心の有様や機微が読み取れる作りになっていた。シナリオの構成が上手く、てこが成長した結果とぴかりと一緒に成長した系譜とぴかり自身の想いの変化とを非常に上手く、バランスよく表現できており、さすが赤尾でこ氏という感じであった。前クールのふらいんぐうぃっち同様本当に上手い構成の良いアニメでした。ありがとうJ.C.STAFF、ありがとう赤尾でこ氏。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 12話

笑いあり涙あり(なし)の良い最終回でした。3期もあるようなので楽しみだ。2話に分けても良かったんじゃないかと思うレベルの密度だったが、アクティヴレイドのあの空気感だからこそ許される部分は大きい。個人的には所長が泣き腫らした目で「別にいいじゃないですか!!」と叫んで総理が怯んだのを良い事に次々に承認されていく場面がめちゃくちゃ好きだった。バードがこの程度で終わりそうな人間ではないという事と、エイプがいるという事、ミュトスの妹の件などまだまだやってくれる準備は整っているので期待している。大変良い最終回でした。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 26話

良い最終回だった!!!! いやー良かったですよ。一時はどうなる事かとひやひやしたが、最後は本当に綺麗に纏まって大団円という感じですな。ワハハ。作画に関しては特に数話前から崩れていたので心配していたのだが、それも何とか持ち直してくれて大変良かった。脚本に関しても檜垣亮氏はやっぱりちゃんと纏めてくれるなあという印象で、剣之介が思いを捨て残るわけでもなく、由希奈と剣之介が完全に切り離される訳でもなく、誰もが過去を清算し希望を抱いて未来を迎えていたところが「希望を託す」という剣之介の言葉に合った結末になっていたのは本当に良かった。というか1話からずっと思ってたけど由希奈ちゃんメンタルつよすぎるね。もう今後何が起きても絶対大丈夫だろうなって自信を持って言える。いやー本当に良い最終回でした。ありがとうございました。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 13話

王道展開良いっすねえ。災禍の顕主がスレイを残して去るシーンが本当に好きで感動してしまった。あんなにかっこ良く主人公を生かせる漢気あるラスボスはそうそう演出できないぞ。コンテからして良いんだろうなというのが良くわかる。アリーシャが従者の契りを交わして神族一同と相見えるシーンも涙の自然な零れ方や影の作り方など、本当にufotableの繊細な絵作りが垣間見える。いやはや本当に良い回でした。2期確定という事で、次も期待できる完成度でした。素晴らしい!

 

91Days (朱夏) 12話

良い最終回だった。作画に関しては確かに最終話まで完全な状態に戻る事はなかったが、しかしやはり岸本卓氏が構成を手掛けているだけあって脚本と演出が抜群に良かった。今まで何があっても涙のひとつも見せなかったアヴィリオが虚無感から涙を流し、アヴィリオを撃ちひとり旅を始めようとするネロですら自分の最後が遠くない事を知っているような悟った顔つきで車を運転しているというのが本当に絶妙な演出で描かれていて大変良かった。EDでただ波だけを描き、その後波打ち際に残る片方がほんの少しだけ長いふたつの足跡が波にかき消されていくことで、2人の死が上手く暗喩され「全ては無駄事」という言葉がしっくり来る終わり方だったのがかなり印象的である。せっかくこれだけ良い話なのだから、これまでの回の作画も何とかなって欲しかったところだ。

 

マクロスΔ (サテライト) 26話

まあ案の定感情論エンドでしたね。ロイドも不幸な役回りだ。正直なところ売りであるはずの歌も途中途中で中途半端な演技を挟んでいてかなり不協和音なりがあり、不自然で蛇足だった。結局最後まで美雲さんはまともにメインを張れないままだし、三角関係が単に解消された結果頑張って気合いで解決しましたという実に恋愛脳な仕上がりになっていてはっきり言って好みが別れると感じる。というか私は嫌いだ。マクロスだし別に愛で解決するのは良いが雑すぎる。ウィンダミア側の大義やロイドの野望など、その辺りの設定が好きだっただけに単なる三角関係の根性論で終わってしまったのが残念でならない。非常に残念な最終話でした。

 

食戟のソーマ 弐ノ皿 (J.C.STAFF) 13話

良くも悪くも次期を見越した最終話だなあという印象。今までの話ではずっと幸平以外も大きく描いてきたが、今回ばかりはほとんど主人公である幸平のみにフォーカスを当て、今期でグッと成長したのだという事がはっきりわかる構成だった。しかしそれ故に少し物足りないというか、他のキャラの努力が1シーン程度で流されていったところも含めて中途半端だったなという印象も受ける。作画も演出も良かったが、これまでの回でグッと急いでいたのが集約されたように感じる回だった。良い回だった事は確かだが、良い最終回だったのかというと何とも言えない。少なくとも来期に期待したいという気持ちは一層強くなった。

 

Rewrite (エイトビット) 13話

いやあ酷い最終回でした。雰囲気アニメとしては良かったのかもしれないけれど、雰囲気アニメに必要な作画が壊滅的で、更に脚本としてかなりあやふやで説明不足な点が多かったというのが原因だったように思う。やはり原作をやっている事が前提になっているような作りで、未プレイ者視点で言うとかなり置いて行かれた感が強かった。それぞれに理由を求めてはいけないんだろうけど、これまでのkey作品が繊細で良かっただけにかなり大味な迷作と言える最終回になってしまったように思う。良いとは言えない最終回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david production) 26話

かなりピーキーな内容の回だっただけに尖った演出が光る回でした。まあ全体的な質で言えば他の回よりも微妙な出来ではあったが、今までのわりとシリアスな内容の回とは違って馬鹿らしい表現が多く、間に挟む一話としてのクオリティと考えると良い回だったのかなとは感じる。ふでやすかずゆき氏脚本だった事もあり物語のバランスは良く、一話単体としての仕上がりは良かったように思われる。良い回でした。

 

 

2016年夏アニメ第十二週所感

今週で甘々と稲妻とNEWGAME!というビッグタイトルが二本とも終わってしまったので大変悲しい。

今後どうやって生きていったらいいのだろう。

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 12話

最高の最終回でした。ありがとう広田光毅ありがとう岩崎太郎ありがとうトムス・エンターテイメント。つむぎちゃんがちょっとむくれもしたけれど、それも犬塚先生とつむぎちゃんとが解り合うための大事な一歩で、みんなが幸せになれるワンステップなんだなあと最後に涙を流しながらうんうん唸っていた。小鳥ちゃんにも色んな過去があって、それが暗に示され続けていた中で、お母さんとの関係に少し変化が生じるそのきっかけになるような形になっており、これからも彼ら彼女らの物語は続いていくんだという事とここで甘々と稲妻は終わってしまうのだという事がどちらも両立している素晴らしい最終話でした。うわあ終わってしまうのか。悲しい。二期も是非よろしくお願いします。

 

NEWGAME! (動画工房) 12話

いやー終わってしまうのか。悲しい。まあ原作のストックは多少あるし終わり方もまだ続きがあってもおかしくないような引き際だったので二期にも期待しましょう。この回自体は今までよりもかなり繊細な作られ方をしていたように感じる。特にセリフの間合いが良く、キャラクターが言葉を紡ぐ行間を感じられるようになっていた。作画などはいつも通り安定したものだった事もあって、その最終回としての虚しさを残しつつ個々の背景にしっかりと踏み込む脚本の良さがいつも以上に際立っていた。NEWGAME!はやはり良い作品であったという事をしみじみと実感させてくれる最終話でした。ありがとうNEWGAME!、ありがとう動画工房

 

モブサイコ100 (ボンズ) 11話

相変わらず作画が物凄くて笑う。前回の終わりがけにラスボスは霊験かと思わせておいてしっかり序盤からウソの前提で話を進めたり、今までギャグ役メインだった霊験をガッツリシリアスに絡ませたりと最終話を前にして展開の切り返し方が上手い回だった。戦闘シーンでの回り込みやパンの激しさは今期アニメの中で群を抜いており、今回は特に視点移動が激しい回だった事もあってよくここまでのクオリティを維持できるなと感心する。最終回は間違いなく100%を超えたモブの苛烈なアクションが待っていると確信できるので大変楽しみだ。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 11話

いや最高でしたね。背景の美しさが際立ち、テンポ感もよく何よりお姫のモーションが本当に可愛くて良い回でした。全体的にレイアウトの構成が良かったため色の濃い自然感のつよい背景が強調されて、涼やかな夏の色や匂いが想起されるような仕上がりになっていた。コンテの佐山聖子氏の力量あってのものという感じがする。大変良かったです。お姫の可愛い動きやそれに伴ったてこやぴかりの動きなど、とにかくモーションに関しては褒めるべき点が非常に多かった。中割りが工夫してあり違和感のない可愛い動きで大変良かったです。良い回でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 11話

いやあ面白いですよアクティヴレイド。とにかく特撮モノなんかの定番を踏襲しつつしっかりと近未来らしい展開を盛り込む方向性が本当に観ていて面白い。作画が安定してくれれば尚良いんだけどそれはもうアイムズだから仕方ないねとしか……。今回は特にパソコンがぶっ飛んで行くところとか笑うしかなかったが、もうその辺も含めてのアクティヴレイドだと言うしかない。ミュトスが動画を公開する場面から黒騎が稲城を殴って衛星が降下してくる下りはもう解っていたけどだからこそアツくならざるを得ない展開で大変良かった。良い回でした。最終回も楽しみだ。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 12話

二期決定ありがとうございます! 脚本が良い回だったと思います。作画に関してはもうufotableなので言うまでもないが、ちょっと言うとすれば若干影のつけ方がのっぺりして、一定のクオリティを保つために工夫しているんだなというのが解ったという程度。やっぱり大変そうだ。脚本・演出が今回は特に良く、ロゼの印象を上手く回復しつつアリーシャを立たせて導師としての力の限界をスレイが思い知るという幾つものキーポイントを自然な流れで盛り込んでいるというのが素晴らしい。大変良い回だったと思います。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 25話

え、次回で最終回らしいけどこれちゃんと終わるんですか!? 一通りの伏線なり何なりをどう回収するのか全く解らないけど檜垣亮氏が何とか収めてくれるのだと期待しておくしかない。今回はいまいち乗り切れないというかやりきれなさが残る回だったなと感じます。たぶん意図して作られたこの「スッキリとした勝利ではなく、その後も不快な諸々が残る」という演出は、次回でのカタルシスの為に必要なステップなのだと思うがどうしても心に重く漂う何かがある。戦いの終わりは当事者以外にはいまいちピンと来ないものだったり英雄に枷は付き物だとかそういう部分に関しては非常にリアリティがあって良かった。良い回だったと思います。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 25話

第四部で、猪爪真一氏はガッツリとストーリーに噛む訳ではない合間の回の脚本を任される事が多いが、今回も今まで同様非常にテンポ感の良い筋立てになっており面白い回だったと感じる。演出やレイアウトも安定感があって良かった。一話としてのまとまりが良く、他話との関連性は随所に出しつつ今話単体で観て始まりと終わりがきっちりと付けられている点が評価できる。安定感のある良い回だったと思います。

 

DAYS (MAPPA) 12話

いやあ今回はレイアウトと演出が非常に良かったですね。宇田鋼之介氏の演出力がかなり光っていた。DAYSは4話辺りからただ熱いだけの展開に正直うんざりしていたのだが、今回ようやく2人が挫折を味わって涙を流すという経験をしたというだけでなく、その重要さを十分に引き出す演出が非常に魅力的で見直した。個人的に生方さんの語りは非常に恥ずかしくて俯きがちに観ていたのだが、あれはあれで良いものではあるのかなとは思う。共感性羞恥があるので厳しい部分もあったが。というか生方さんの処女力強くないですか。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 11話

クオリティも高く良い回だったと思います。脚本よし作画よし演出よしとかなり完成度が高くバランスが取れていた。イクタの手の傷が開くシーンなど描写も丁寧で、ヤトリたちのアクションシーンも緊迫感のある良いものだった。敗北を綺麗に描けるという点でも評価できる部分は多く、余計な描写や邪魔なあれこれの無いスッキリとした仕上がりだった事も他のアニメに比べて良い部分である。今回はそれらが特に顕著で良い出来だったと思います。

 

マクロスΔ (サテライト) 25話

父親の遺品というか贈り物が母から送られてきたシーンに関しては大変感動的な仕上がりになっていてよかったと思います。レイアウトが良く、それぞれのカットの完成度が高く、作画の良さや背景の繊細な美しさがより際立つ作りになっていた点でかなり評価できる回だった。脚本としては「これまでのマクロスシリーズとも関わってるんだぜ」というのをほのめかしてはいるものの、結局情報の出所が外部の人間で、ケイオスの人間はとにかく受け身にミッションをこなすだけという状態で、何というか「これでいいの?」となってしまった。まあ組織の構造上そうならざるを得ないとかあるんだろうけど。そういう意味で脚本的にはいまいち好きになれない回だったとも言える。はっきりと良し悪しを言いがたい感じでした。

 

91Days (朱夏) 11話

比較的良い回だったと思います。作画に関してはある程度目をつぶれば文句ない程度には回復してきたし、物語が佳境に入っているという事もあってテンポ感良く面白い演出が光っていた。ただ、確かに物語は盛り上がりいよいよクライマックスに向けてという段になって来はしたものの、以前のような登場人物の心情にスポットライトが当たるような描写が少なく、事実の積み重ねで物事が進展していく様を客観的に描いているだけという印象が強い。次回でこのフラストレーションを如何に解消してくれるか楽しみである。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 12話

かなりテンポ感が早く感じる回だった。ただ、あれだけの内容を一話にほぼ違和感なく詰め込めるのはヤスカワショウゴ氏の手腕あってこそのものだなあとも思う。次回の最終回までに収まりの良いところに落ち着ける必要があったための駆け足なんだろうが、描写が浅くなってしまっているという部分が残念だ。恐らくコンテもかなり厳しい日程調整だったんだろうなというのが人員配置や作画の質から伺える。来週で最終話なので、せめて最終話は駆け込みでも良いからしっかりと仕上げて欲しいなというところだ。ここだけの話ですが薙切アリスちゃんがタオルを頭に巻いて男に囲まれているシーンで抜きました。

 

Rewrite (エイトビット) 12話

作画が本当に酷い。どうしようもねえ……。物語の展開自体もとりとめがなく、幾らトンデモ設定が大量に含まれていたり背景に大きな設定があったりするとは言っても許容できる範囲を超えている。地球の裏側の~と言いつつ何故か辿りついていたりそこからワープしてきたりと、とにかく最終話で全てが明らかになる(あるいは十分に考察すれば何かしらの理由が導ける)事を期待しているが、1話として考えるとこれまでの話の中で最低のクオリティだったと感じる。原作プレイ済みでない視聴者が置いて行かれる事や作画のクオリティが本当に酷かった事など、諸々含めて許容できる回ではなかった。

2016年夏アニメ第十一週所感

最終話も近くなり、ネタバレに敏感になっている方も多いとは思います。

ご承知の事とは思いますがこのブログはネタバレを多分に含みますので、ネタバレされたくない方には読む事をお勧めできません。

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

 

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 10話

はい優勝。優勝でした。いよいよ春濁りが終わって全体の雰囲気も一気に夏めいてきました。1話からのてこの成長や意識の変化、そういった諸々の事が対比的によく表現されており、更にぴかりとの関係を言葉によって清算するシーンなどは、それまでのバディとしての意識の移り変わりにぴったりと寄り添っていた。それぞれのシーンにぴったりと合ったレイアウトや背景が情動を更に増してくれる良い演出になっており、本当に感動してしまった。危うく涙を流すところだった。流したけど。ともかく、12話で潜る海の描写と演出とが本当に楽しみになる1話であり、最終話を意識した素晴らしい回だったと思います。あー本当に良かった。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 10話

面白くなって参りました。まあ元々面白かったけど、いよいよ稲城さんが黒幕(結局八条からみれば手先扱いだったんだろうけど)として名乗りを上げてきて、今までの割と明るめの展開から一転して一気に最終話に向けて急降下する展開はアツい。特に教会のステンドグラスを背景に黒騎と稲城さんが殴り合うシーンなどはこれまでの物語を踏まえると胸が熱くなる。最終的には八条が上手い事立ち回って稲城さんをハメた挙句第八に仕事が回ってくるという展開になるんだろうけど、あと2話でどこまでこれまでの伏線を出し切れるかというところに期待が集まる。作画はアレだけど本当に面白い。良い回でした。

 

NEWGAME! (動画工房) 11話

こうちゃん可愛いよ~~~~。いやひたすらに可愛かったなあおい。何が可愛いって照れる表情が可愛いんだよなあ。更に言えば照れてる八神さんを撮ってニヘラとしている遠山さんも最高だよなあ。何だこのアニメは。ほんま最高やで。OPが特殊OPどころの沙汰ではなくまんまフェアリーズストーリー3のデモ映像だったというのも表現として面白いし、ゲームを作る会社のアニメなんだよなという事がはっきりと認識される作り。八神さんのインタビュー記事に「映像は動画工房さんにお願いし」等という事が書かれているのも面白くて良い。いやはやえらいアニメですよ。これももう終わりが近いのかと思うとひたすら涙が出てくる。

 

モブサイコ100 (ボンズ) 10話

いやー相変わらず物凄い書き込みだ。今回は戦闘が非常に多くかなりのボリュームだった。特にパイロキネシスの彼が出てくるシーンではよくあれだけのカット数圧倒的に動く炎を描き続けられるなと驚いた。いやほんとすごいですよ。ただ8話の作画が人知を超えすぎていてこれでさえ霞んで見えるというのが訳の分からん話だ。とんでもねえ。あと2,3話といったところでラスボスが霊験である事が判明し、次回予告でばらしてしまう(解ってたけど)というのが非常に良い落ちになっていて面白い。8話辺りからギャグが少なくなっているので少し残念ではある。

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 11話

なーんか成田良美感あるなと思ったら案の定成田良美氏脚本回でちょっと悲しくなってしまった。苦手な脚本家の担当回を察知出来ても良い事なんか何もないんだよな。今回は作画や背景が特段良かった事もあり、かなり楽しめた回だった。つむぎちゃんが落ち込むシーンやひとりになって俯くシーン、しのぶちゃんがぎっと八木を睨むシーンなどレイアウトが良かったりする場面が多く感動した。しかしやはり成田良美氏の担当回では誰かが割を食うというか、印象が悪くなってしまうというのが個人的に好きではなくて、感動の代償にキャラの印象が投げ捨てられている感覚があって好きになれない。良い回ではありました。

 

マクロスΔ (サテライト) 24話

マクロスΔはもう完全に茶番アニメだよなあ。作画が復帰した事に喜んだのもつかの間、今度は作画が気にならなくなった事でストーリーのガバさに気が付くのだった。まあ早々にマクロスΔは雰囲気と世界観だけ提供してくれるアニメだと割り切っていたから良いが、やはり全体的に雑というかノリと勢いだけでよくここまで持ったなあという印象。こっから美雲さんとフレイヤがどうこうなってフレイヤの寿命が云々でという話に持って行かれるんだろうが、何せハヤテ以外の男キャラが基本的に雑な扱いをされている時点でもうという感じだ。作画や演出などは良かったと思います。

 

バッテリー (ゼロジー) 10話

良い回だったと思います。最終話に向けて視聴者にモヤモヤした感情をグッと抱かせる脚本と演出で、最終回でどういう纏め方をするのだろうかと楽しみにさせてくれるような回でした。個人的にキャプテンと瑞垣が電話をする場面のカットの切り方や間の持たせ方が大変好きで、絵に描いた小説という印象だった。原作にあった詳細な設定をグッと省いて巧と剛とその周辺のみを重点的に描いてあるからこそバッテリーの問題として物語をとらえられるようになっているというのは監督の手腕あってこそだなと感じる。良い回でした。

 

Rewrite (エイトビット) 11話

Bパートから10話に比べて作画が段違いに改善していたので大変ホッとした。特に絵柄が前半EDの野中正幸氏の絵柄に近くなっていて、柔らかい印象になっており観ていて安心感があった。物語も佳境に差し掛かり、いよいよ次回次々回あたりで決着が付きそうだなという助走に入っている事もあってかテンポ感も程よく面白い。全体的にバランスの良く取れた良い回だったと思います。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 11話

作画が若干乱れてましたね。個人的に秘書子は結構好きなので良いなあという感じ。大変可愛く描かれている良い回でした。秋の選抜を終えてあっさりスタジエールが始まったかと思うともう1店舗目が終わってしまうというテンポ感の早さ。今回に関しては今までと比較して印象的なカットも少なく、いまいちパッとしない回だったなという印象。全体的にコンパクトに纏まっており、食戟のソーマ特有の派手さのようなものもあまり見受けられなかった。中継ぎの回という印象が強い。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 24話

あ、こんなにあっさり進んでしまって良いの? 作画が全体的に粗く、P.A.WORKSらしい丁寧で繊細な描写がほとんど見られなくなって久しい。悲しい。展開が非常に早く、これまで手こずっていた幹部・大将クラスをバッタバッタとなぎ倒していく様は痛快だが、逆にそれが拍子抜けさを引き立てていたなという印象。これまでゆっくり関係を築いていた由希奈と剣之介の関係も剣之介が言葉に出した瞬間から「あ、今までのものが清算されてしまった」という気持ちになり、どんどん置いていかれる気分になってしまった。結果としてボス不在のまま24話が終わってしまった為にカタルシスも小さく、何処となく残念だった。ここから最終話までどう落とし込むのか気になる回であった。

 

91Days (朱夏) 10話

コルテオ……良いやつだったよ……。まあ死ぬだろうなとは思っていたしアヴィリオの手でというのも何となく予測はついていたが、実際目の当たりにすると悲しいもんだ。作画に関してはもう何も言うまいという感じだが、物語の筋というか雰囲気作りはかなり良く、コルテオとの兄弟としての絆を確かめるような演出を多々盛り込んだ上で最後の最後に落とすという脚本は典型的ではあるが雰囲気の特異さもあってかなり良くまとまって、面白いものになっていた。良い回だったと思います。

 

DAYS (MAPPA) 11話

これだよ。DAYSにはこれを待っていたんだ。努力が報われてパスが出る。そういう単純な感動を与えてくれるのがDAYSの良いところだ。スローモーションの使い方が上手く演出力を感じる。10話まで落ち込んできていた作画のクオリティも戻り、ボールをめぐる駆け引きも臨場感のあるモーションで見せてくれている。今回の為にここまで溜めて来た諸々のものが爆発している感があり、カタルシスにも似た感動を味わわせてくれた大変良い回だったと思います。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 10話

ufotable作品は作画が半端ではなく良いだけで既に頭の中で肯定されてしまうのでなかなか批判的に観る事が出来ないが、今回は物語として落ち着いた幕間の回だったなあという印象。一応クールの終わりが近づいているのでその準備段階といった感じで、一区切りさせるための波乱に関係する登場人物が出揃ったんだなと思うが、それ以上の事は特に感じなかった。安定したクオリティで雰囲気が良く作られたアニメを継続して作り続けられるのは素晴らしい事ですわ。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 10話

物語としては非常に面白く、特に地上波で指を落とすシーンをしっかりと描けるというのは凄い事だと感じる。9話でも若干の怪しさをはらんでいた作画がやはりここにきて崩れてしまったのは少し悲しいが、マッドハウスという事でしっかり収めてくれるだろうという期待はある。序盤の殺陣などにも見られるようにやはり動きにはかなり凝っている事がわかるし、今後更なる戦闘シーンでもっとこれが観られるのかと思うと楽しみである。良い回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 24話

かなり作画が怪しかったですね。ただやっぱり康一くんはカッコいい。仗助や億安が若干間抜け気味に描かれているが故に対比されて余計にかっこよく見える康一くんは本当に愛されてるなあ。脚本自体は非常に緊迫感があり、追い詰められた時の吉良吉影が演技をする時の森川智弘の演技なども相まってかなり見ごたえのある印象に仕上がっていた。脚本・演出の力が強い。ただやはり作画の怪しさという点も含めると全体の評価は下がるなという印象。面白い回ではありました。

2016年夏アニメ第十週所感

今週は旅行に行っておりあまりアニメを観る時間がなかったため、いくつか観落としている作品もある気がしますがご容赦ください。

どの作品も最終回に向けた助走段階に入ってきた印象ですね。それぞれどう纏まるか非常に楽しみです。

 

それでは今週もいってみましょう!

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 10話

端的に言って最高の回でした。9話でつむぎちゃんの気持ちがグッと落ち込んだ状態で物語が終わり、次からどうなるのやらというハラハラする感情を最後の最後にはあどけなさが残るものの成長したつむぎちゃんの姿を見せる事で解消し、そのまま大団円ブチアガり状態にまで持って行ってくれるのヤバすぎるでしょ。アジの頭や捌かれるアジの姿を興味と恐怖の入り混じる表情で見つめ、食物連鎖というものを幼いながらに理解し賛美するつむぎちゃんの様子を見ていると、子どもを甘く見ていない作品なんだなと本当に理解させられる。いやはや本当に素晴らしい。料理時の作画なども非常に良く感服した。素晴らしかったです。神回と言って差し支えないと思います。

 

モブサイコ100 (ボンズ) 9話

若干テンポ感が今までの回と違った印象でしたが非常に良い回だったと思います。モブサイコ100は特に1~5話までのイメージの統一感とぶっ飛んだ作画表現が印象的なので、少しでもイメージと異なったり作画表現が平凡に思える回があると「クオリティが下がった」と感じてしまいがちだが、ベースが他の作品と違うのでそもそも平凡ではないというのが凄い。今回は今までの回に比べると少し見劣りする回でしたが、アクションも安定して派手で作画の表現なども見慣れてきた部分を踏襲しつつという感じで良い回だったと思います。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 9話

最高でした。いやあ演出が神がかっていてただただ最高だった。言ってしまえば物語はてこが写真を消せないだけの物語なのだが、そこにはてこの過去があって想いがあって、その想いをぴかりが汲んで先輩や先生と一緒に贈り物を探すというその背景があってこその物語だったなと感じる。最後にてこが電話口で言っていた言葉にこそ変わったてこの姿があって、これまでの話よりも一層てこという人物について深く理解する事が出来るようになった一話でした。いやはや素晴らしい。2秒で終わった。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 9話

甲徹陣七竃かっこ良すぎませんか。モードⅡへの移行バンクもメカデザも滅茶苦茶に男の子って感じだし何より怒龍まさかりをぶん投げる様がかっこ良すぎる。いやあほんと解ってるなあ。毎度思う事なんだけど、アクティヴレイドの戦闘シーンは本当にレイアウトが天才でバチクソにかっこいい。感動する。完全にロボットものや殺陣を熟知している人が作ってるんだろうなというのが解る出来で素晴らしい。今回は特に外連味溢れる良さがありました。物語も都知事の思惑や危うさがいよいよ表面化し始め、どう決着をつけるのか気になり始める大変面白い回でした。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 10話

高田耕一氏のコンテが光る良い回でした。食戟のソーマは元より絵としての完成度が高いアニメだが、今回は台詞と画面に映ってる人物とが異なる事で印象深い示唆的なシーンが多く、より絵が映えるような出来だった。今後の事を思わせつつ今までの話の総決算をしているという点で脚本もかなり巧妙で、しばらく続いた秋の選抜を一話で上手く締めくくっている。更に次回以降の方向性や今後の伏線も綺麗にばらまかれており、集中して見続ける事が出来る1話だった。他の回に比べると確かに地味だが味わい深い良い回だったと思います。

 

マクロスΔ (サテライト) 23話

ストーリーとしては最終話に向けての助走という印象だったが、作画のクオリティが最終話手前に来てグッと向上し、2話レベルの作画にまで戻っていたのが大変嬉しい。物語自体も佳境を迎え、いよいよロイドの思惑やハヤテの父の過去が明らかになりつつあるところで、これまでのいまいちさから一転1話のワクワクを取り戻すことが出来る作りであった。全体的なクオリティも良く、大変面白い回でした。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 23話

うーん作画がちょっとまずい回でしたね。最終回を目前にして作画面でかなり失速気味のクロムクロだが、今後どうなっていくのか気になるところだ。物語としては背景に緊迫した空気が漂いつつも高校生組のするバカ騒ぎがそのシリアスさを完全に消しているというのが凄い。今回は特にムエッタの感情や剣之介の意思に焦点が当てられていたが、確かにこれまでの話ではずっと目の前の課題を解決するに留まっていたしそれが当然のように思っていた事もあって非常に新鮮で良い展開だと感じた。よくそれぞれのキャラの内面などが考えられており構想段階からよく練られていたのだろうなという事が容易に想像できる。作画は残念だったが物語としては良い回だったと思います。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 9話

映像美に関してはモブサイコ100と双璧を為す今期のビジュアル隊長、9話になっても安定したクオリティを保っているという点でやはりufotableは凄いとしか言いようがない。物語に関してはひたすら叙事詩を読んでいるような気分にさせられる構成で、意識して作っているんだろうなという印象。今回は特にそれが色濃く、世界が抱える問題が何らかの形で提起され、主人公の目的と周囲の人間の思惑とがほんのりと示された上で目の前の課題を解決するという形で、かなりコンパクトに纏め上げられている。そのために若干物語としての味わいは薄くなってしまうが、その分ビジュアル面が強調されるのでこの作品に関して言えば正解という感じ。良い回でした。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 9話

作画が若干怪しかったものの全体としての完成度はかなり高い回だったと感じます。特に脚本の1話での纏まりの良さやアクションシーンでの意外性など見所は多い回でした。ヤトリのアクションへの力の入れ方は毎度すさまじく舌を巻くが、今回も完成度が高く、相手の意表を突く動きや外連味のある回転描写など、観ていて爽快になるような出来で大変良かった。最後の焼けた村に駆け寄るシーンもレイアウトが良く、良い引きだったと感じる。良い回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 23話

康一くんの迫真の表情かっこ良すぎるでしょ。作画の調子があまりよろしくないような感じだったが、印象深いシーンが幾つもあって面白い回ではあった。ただ今までの回に比べると全体的な仕上がりがあまり芳しくないなという印象で、やっぱり作画なりその辺の出来が微妙だったと感じる。Bパートの勢いや吉良がカフェでひと悶着あるシーンなんかは観てて面白かったし間の取り方が絶妙だった。良い部分とあまり良くない部分とが混在した回だったと思います。

 

バッテリー (ゼロジー) 9話

8話で落ちた作画のクオリティが回復していて一安心する回でした。今回は巧や剛よりも門脇と瑞垣の関係性が良く描かれており、瑞垣の門脇に対する生々しいまでのコンプレックスがありありと描かれていて大変良かったなと感じる。カット割りやレイアウトも秀逸で、コンテ・演出の倉谷涼一氏の力量が伺われる完成度となっていた。脚本・作画など諸々のクオリティが高く、非常に良い回だったと感じます。素晴らしい。

 

NEWGAME! (動画工房) 10話

作画など諸々クオリティが高かったのですが、BGMがあまり入っておらずテンポ感が悪く感じた。恐らくBGMだけの話ではないのだろうが、若干間が空きすぎているような部分が多々見受けられ、良いクオリティなだけに少し拍子抜けする感がある。アバンタイトルの電車内での居眠り表現やその後の青葉ちゃんがドーナツに向けて駆け出していくところまでのモーションなど、全てが斬新な表現と十分なクオリティで思わず唸ってしまった。その後もひふみ先輩の挙動など凝っている部分が多く、ニヤケ度が非常に高い。全体的なバランスで見るとテンポ感などで若干詰まるが、他のクオリティは高いので良い回だったと思います。

 

Rewrite (エイトビット) 10話

うーん詰め込み過ぎでは。作画も追い付いていないし構成も雑だしでかなりガッカリだった。終盤は若干飽きてしまうほど時間が長く感じる30分間でした。物語の筋としては伏線をしっかり張って回収してという事をしているのだが、セリフの溜めや非言語的な表現がかなり少なく情報の密度の割りに薄く表面的な表現にとどまっているという印象。琥太郎の声優さんも滅茶苦茶頑張ってるんだろうけど、ギャグシーンで頑張ってる感が非常に悲壮に聞こえてくるので悲しい。あまり好きではない回でした。

 

91days (朱夏) 9話

作画……。作画が完全に死んでしまっているので物語の筋になかなか集中できなくて困る。全体に静止画が多く、観ていて尺稼ぎにも見えるシーンが目に見えて多くなってきたのでかなり制作が厳しそう。ストーリーとしてはようやく核心に迫るような内容になってきて非常に面白いので余計に残念だ。コルテオの生死や4人目が誰かという謎を残して終わった9話だったが、どういう落ちのつけ方をするのか気になるところ。ネロが「誰も撃つことが出来なかった」と口にし、それに対してアヴィリオが強い語調で「今なら撃てるだろう」と言い返すシーンなどは今後の展開を左右する良い描写だったと感じる。最終話に向けて頑張ってほしいと感じる一話でした。

 

DAYS (MAPPA) 10話

かなり雑多にいろんな情報が出されたまとまりのない回でした。シリアスめな場面でも軽快なギャグ(らしきもの)で明るく済ませるのがDAYSの良いところでもあり逆に悪いところでもあると感じられるような脚本で、中途半端にしょうもないギャグ紛いのもので深刻さを掻き消された上で「こんな良い事言ってるぜ」とキャラにどや顔をされても痛さが伝わってくるだけだったり逆にそのギャグ紛いのものに救われたりと、バランス感に欠けていた印象。本当にひとりの人が書いてるのか一瞬解らなくなるような展開で、共感性がかなり低い。全体的にとりとめのない回だったとしか言えない。

2016年夏アニメ第九週所感

生活がかなり忙しくなってきたので切った作品が複数あります。

今残っているものは確実に最終話まで観るであろう猛者たちという感じ。(猛者でないものもいるのは内緒だ)

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

モブサイコ100 (ボンズ) 9話

大変素晴らしい回でした。いや本当にすごい。何が凄いって全部凄いのが凄い。アクション作画がぶっ飛んでいて素晴らしいというのはもちろんの事、脚本もテンポ感良く、それでいて強弱のつけ方が非常に上手く、シリアスなアクションシーンをガッツリ挟んだ後で霊幻のアホみたいなギャグパートをぶっ刺してくるセンスが本当に良い。あのアクションの作画は本当にどうなってるのか。あんなに中割りが意識された作画そうそう観る事が出来ないしコマ送りにして観たいレベルだ。いや観るよ。いやーほんとこれはBlu-ray買うまであるなあ。本当に素晴らしい回でした。ありがとうボンズ。最高でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 8話

清い涙を流した。非常に素晴らしい回でした。特に脚本が抜群で、さすが大西信介氏といった感じ。アティと瀬名とのやり取りはところどころで言外の仕草や文脈から読み取る必要のある部分があるが、しかしそれが逆にリアルで、足りないが故の巧妙さのようなものがあった。特に瀬名はこれまでの経緯を観ているからこそ移入できる部分も多く、そんな彼が自分の過去を顧みてアティの姿に俯くシーンなどは思うところがある。物語の筋としても構成がかなり巧く、ただただ感服するばかりであった。素晴らしい回でした。

 

NEW GAME! (動画工房) 8話

あー最高。いや最高でしょ。完全に優勝した。オタクじゃないけどオタクオリンピックで金メダルを取ってしまったな。いや何だこれは。濃厚にして強い百合の波動に包まれて完全に昇天した。得能正太郎は紛う事なく天才。テンポ感良く物語が進み、間間に強力な百合がサンドされた爆エモ回。銭湯でのひふみ先輩のシャワーシーンや序盤のはじめさんが得物を振るうシーンの作画もかなり力が入っており、ただカッと画面を睨んでにやける事しか出来なかった。ただただ最高である。優勝。

 

甘々と稲妻 (トムス・エンタテイメント) 9話

うーん作画があやしくなってましたね。まああのクオリティを維持するのはしんどいよなあ。たぶん8話でも結構苦しかったところを9話で枚数少なくしてしのいだんだろうか。次回以降がどうなるか気になるところではある。今回は成田良美感がかなり出ていたなと感じる回だった。確かに良い話ではあるし涙も出るのだが、どうしても説教じみている感が出るというか、テンポ感を崩してまでそうする必要があるかなという部分がちょいちょい見受けられたので、やっぱり成田良美氏は苦手だなあという印象。まあ泣いたんですけどね。泣くしかなかったよね。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 8話

いやー良い。良いですよ。何気にぴかりや二宮姉弟の主観で描かれるのは初めてだったが、各々の感性やバディへの視線が感じられて非常に好き。更に今回は身体測定回という事もあり、てこやぴかりのいろんな動きを観る事が出来たが、良く身長や体格を考えて描かれているなあと感じられたり、構図の良さがパッと見て取れたりと面白い回でもあった。姉ちゃん先輩がヘナと座り込んでしまうシーンは何か結構好きで何回か見直してしまった。あいかわらず良い回でした。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 22話

いよいよクライマックスに向けてあと数話というところまで来ましたね。舞台も整い、ようやく決着の方向性が定まった回だった。塗りが若干平坦な印象になってきたが大丈夫だろうか。最後まで頑張って走り抜けて欲しい。雪姫と由希奈が裸で床を同じくするシーンヤバすぎませんか。あんなの地上波で放送しちゃっていいんですか。あれはもうセックスですよ。今回は特に背景の美しさが際立つ回でもあったなあという印象。最初のカットで妙な色合いに染まった天と地の間を羽ばたきながら降下するクロムクロの圧倒的な存在感とそのレイアウトの良さ・色合いの絶妙さには舌を巻いたし、雪姫が抜け出して歩いていく時の紅葉の色や雪の表現など、本当に至るところで感服するばかりだった。いやあ良い回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 22話

重ちー……。良いやつだったよ……。個人的に待望の加藤敏幸氏コンテ回だったのだが、実際非常によかった。キャラクターの表情やレイアウトがかなり凝っていて観ていてハッとする場面が多い。物語としてもカタルシスの強い部分ではあるが、それを更に良く引き出しているという印象。全体的にカットの切り替わりが早くその辺りはもう少し何とかしようがありそうだが、しかしそれを抜きにしても良い。最後に仗助や億安がうつむきがちに表情を見せず歩いていくシーンなどは語るべくもなし。素晴らしい回でした。

 

バッテリー (ゼロジー) 8話

作画の質が落ちてきましたね。今回は特に試合のシーンが多く動きの激しい回ではあったので仕方ないのかなという感じ。コンテの方がゲーム畑の人みたいで、その影響もあるのかもしれない。(そんなことはないと思うけど) Aパートでは瑞垣が非常に嫌なというか陰湿なやつなように描かれていたが、Bパートでは門脇に対するコンプレックスをにじみ出させるような演出が巧く、やはり物語としてはしっかりと作られているなあという印象。登場人物の感情がじわじわ解るような構成が面白い回でした。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 8話

結構絵の雰囲気が変わった感じないですか。影の塗りが若干薄くなってのっぺりした印象だった。まあクオリティにはそこまで(ちょっとはあったけど)影響はないので許容範囲だなという感じ。というか作画の質が落ちても他のアニメに比べると群を抜いて凄いから別に気にしないのだけど。物語としてはエドナが登場してその過去と冒険の目的がスッと示されたまとまりの良い回だったと思います。よくあれだけの話を一話に詰め込んだな。というかエドナちゃん可愛すぎませんかね。完全にアレ。何とは言わないけど。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 8話

良い!! 良いぞ!! やはり古川知宏コンテ・演出回は絵的な雰囲気が非常に良いので集中して観る事が出来る。これまでの回では「雰囲気がかなりライトだな」という印象だったのだが、ヤトリが反逆者を殺戮した回でも感じた事だがポイントポイントでかなりはっきりしたシリアスが挟まる事で十分以上の感動を得る事が出来るという点で、今回は特によかったかなと感じる。4話単位でギャグとシリアスの両立を上手くこなしている作品だなという印象。大変良い回でした。

 

91Days (朱夏) 8話

案の定制作が追い付いていなかったようで総集編を挟んでの8話、ラストシーンが非常に印象的で良い回でした。コルテオの感情やそれに伴う動きなどが明確でリアルに描写されており、かなり見ごたえがあった。作画のクオリティは完全に戻ったわけではないが4話レベルにまでは回復しているようで一安心。全体的な構成が上手いので作画でこけて欲しくはないなと感じる。ともあれ良い完成度の面白い回だったと思います。

 

DAYS (MAPPA) 9話

1~8話から一転して話のテイストが一気に変わった回だったので面白い回だった。これまではとにかくつくしが必死に走って周りがそれに影響されるという話だったが、今回は他のメンバーや特にキャプテンの頑張りでつくしが変わるという話で、物語の展開からしても特異で面白く、次回以降どうなるのかという期待が持てる。サッカーが解らなくても何となく「これはピンチそうだな」「今は優勢だな」というのがはっきりわかる構成になっているのも巧い。大変良い回だったと思います。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 9話

薙切レオノーラさんの水着姿最高か? これはシコってしまってよろしいんでしょうか???? アリスちゃんも可愛すぎるな???? いや実際最高ですわ。何だこの最強の、優勝のアニメは。ついつい優勝の凱歌を口ずさんでしまうな。今回はおはだけだけではなく3人揃っての一枚絵が複数設けられていた事なども、テンポ感の良さと更に凝縮されているという感覚に寄与している感じだ。櫻井親良氏のコンテも抜群でさすがといった感じでした。いやー完成されてる。完成されてますわこれは。こちらもついついおはだけしてしまうな。

 

Rewrite (エイトビット) 9話

作画は死んだ! もういない! うーんもうそろそろ厳しくないですか。完全に作画が崩壊しているのでそこしか気にならないし話が頭に入って来ない。物語自体はまあ今までの話から結論付けられるところに落ち着いたなという印象なので、ここからどういう持って行き方をするのか気になるところ。ともかく制作が間に合っていなさそうなので次週辺りで総集編がぶち込まれてもおかしくない雰囲気。あまりよろしいとは言えない回でした。つらそう。

 

マクロスΔ (サテライト) 20話

これまでの話と比較してもかなり出来の良い回でした。大変良かった。コンテ・演出がヤマトナオミチ氏だった事が主な理由だと思うが、映画のような劇的な展開とキャラクターをアップにした巧いレイアウトが非常に魅力的で、次のカットはどうなるのかという緊張感が維持されていたのが非常に良かった。作画もかなりましになっていて気になる部分も少なく、脚本の良さも相まって印象的な回になっていたように感じる。大変良い回でした。

 

マクロスΔ (サテライト) 21話

ワルキューレの過去エピソードという事で、若干話の表面的な部分では今までの回から離れるような回でした。20話から続きで観てしまったのでインパクトに欠ける回という印象だったが、単話としての構成はよく、十分完成された回ではあったと感じる。作画に関してはまだいまいちという部分があり、やはり背景と音楽で魅せるアニメという感じだ。今後の展開に期待したいところ。

 

マクロスΔ (サテライト) 22話

うーん、まあお涙頂戴という感じですね。シナリオ構成・作画・演出どれを取っても雑だったなという印象。感情論でシナリオをぶち抜くのはまあ良くある話だけど、ヒロイン2人の愛に支えられて俺は暴走しなかったぜ!ありがとう!みたいな展開のコアの部分だけ抽出して演出するのはちょっと雑すぎませんかね。あと、せっかく美雲の衝撃の過去が明らかになったのに(というか合流の描写もなかったし)適当に「私は私」「くもくも……」つって終わらせるのは何なんだ。JUNNAさんがせっかくいい歌を歌ってくれているのにくっそ雑な扱いになってるの本当に悲しい。あまり好きではない回でした。