2016年春アニメ第十三週所感

今週で完全に春アニメは終了しましたね。お疲れ様でした。

どのアニメもクオリティが高く、やはり今期は豊作だったと感じます。

名残惜しいですが春アニメ所感もこれで最後ですね。(総括は来週土曜に上げます)

ではいってみましょう!

 

 

宇宙パトロールルル子 (TRIGGER) 10~13話

本当に良い作品だった。宇宙パトロールルル子には人生の大切な全てのくだらない事が詰まっていた。頭空っぽな中学生の初恋という他者にとっては極めて無価値で他愛の無いものだが、初恋をした中学生は最強になれるというのは、別に中学生の初恋に限った事ではなくて、個人が抱く様々なつよい情動に対して言える事だ。他者から見て下らない感情こそが正義の原動力になり、それこそが何かを変える引き金となる。そういったある種の真理じみた事が根底にあった上でこれだけ面白く作品を構成できるのはさすが今石洋之氏だなあという感じ。7分アニメの短すぎず長すぎない特性を本当に上手く使った作品で、アクションシーンなどではエフェクトや作画の驚異的な良さを出しつつも、穏やかなシーンではニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨンのような適当に流すような作りにして、その両者が両立しているというのが凄い。宇宙パトロールルル子は本当に素晴らしい作品でした。ありがとうTRRIGER、お疲れ様でした。

 

キズナイーバー (TRIGGER) 12話

いやー良い作品でしたね。賛否分かれるとは思いますが個人的にはかなり好きですよ。ただ、今回は最終回としては若干盛り上がりが弱めなのかなという印象があった。橋の上で2人が問答し、発動したキズナシステムが強く光り、抱き合ったまま飛び降りるという一連の流れが最も盛り上がる部分なんだろうけど、その後にもなだらかに良さのあるシーンが連続しているのでそういう印象になってしまったのかもしれない。物語の筋として、最終的に全員がキズナシステムに寄らない友情を得て、互いに一番初めとは全く違ったイメージの人格を獲得(というより発露)しているというのが個人的に注目したいところで、11話までではまだ各々の主張というか1話~で見せてきた人格が強かったが、最終的にはその人格とプラスでこれまでの物語の中で立ち現れた人格が強く主張しているというのが良かったように感じる。「何故」「どういう契機で」「何を思ったから」変わったのかが物語の中で明示されているのがキズナイーバーという作品の良さのひとつなのだろう。いや良い作品でした。ありがとうTRIGGER。

 

ふらいんぐうぃっち (J.C.STAFF) 11話

あーやめて。終わらないで。お願い、やめて終わらないで。ふらいんぐうぃっちが終わってしまったら私はどうやって生きていけばいいんだと思って観れていなかったけどまあとりあえず11話だけ観るかと思ってみたら2秒で優勝した。何やこのアニメは。30分が2秒になるってどういう事? いやほんと2秒すぎる。クジラが現れる前後の演出なんかは本当に素晴らしくてあー完全に優勝。もう何も言えねえ。書き始める前は真面目にいろいろ調べて考えて書こうとしたけどもう良いや。優勝。以上。本当に12話を観るのが精神的に厳しい。頼む終わらないでくれ。

 

ふらいんぐうぃっち (J.C.STAFF) 12話

優勝!! 完全に優勝!! J.C.STAFFの皆さん本当にお疲れ様でした。ふらいんぐうぃっちふらいんぐうぃっちたる所以がギュッと詰まった良い回でした。穏やかな日常の中に小さく優しい魔法が輝くこの世界こそ、現代社会に疲れた我々の心を癒す一筋の光となるのだ。今までに出てきたキャラのほとんどが登場し、それぞれとの物語を思い出せるような作りになっているのも大変素敵。作画も非常に良く、なびく髪の表現やその他諸々のクオリティも高く本当に満足だ。ふらいんぐうぃっちは終わらない。我々の中に生き続けるのだ。それにまた何度でも会う事が出来る。BDでな!!!!!!!!! ねぷたにも行こうな!!!!!!!!! 本当に最高の作品でした! 優勝!!!!!!!!!

 

うしおととら (MAPPA & studioVOLN) 39話

研究室に行く前に観たのは完全に失敗だった。最後は本当に涙が溢れてしようがなかった。3クール39話分、これまで積み上げてきた全ての物語を清算し、強大なカタルシスを与えてくれる素晴らしい出来。藤田和日郎氏がツイッターでも言っていたように、「物語は終わり、そこに取り込まれたヒトを解放する」というのが今回の素晴らしいところだ。うしおととらという世界はこの話で完結し、ひとつの圧倒的な到達点が描かれている。最近の「続編が出るかもしれない」という体で含みのある終わり方をする作品が多い中で、最終回を最終回然として十分に大成しているという意味でもうしおととらは評価すべき作品だと感じる。本当に良い作品でした。オタクはちゃんと観よう。

 

甲鉄城のカバネリ (WIT STUDIO) 12話

WIT STUDIOの技術力の高さに感心する作品だったなあ。作画やアクション、演出などこれまでの作品で培った諸々の技術が込められている完成度の高い作品。ストーリー自体も大河内一楼氏脚本の良さが出ていてよかったんじゃないでしょうか。美馬は復讐したタイミングで自分のやりたい事がひと通り終わったからこそ、今回のような「恐れず希望を抱く」生駒との決闘に望み白結晶も打ったのだと思うと、今までの一貫した悪性から解放され、ひとりの人格として昇華されたように感じる。最終回だけあって印象的なシーンばかりで、構図などコンテの良さも際立つ回でした。直球で良い作品だった。

 

ハイスクールフリート (プロダクションアイムズ) 12話

良い最終回でした。はいふりに関しては今まで結構扱き下ろしてきたけど、最終回まで観るとやはり「救われた」という感がある。今回の脚本はもちろん吉田玲子氏で、シリーズ構成のそうまとめという上手い決算の仕方をしていたなあという感じ。良い部分も悪かった部分もまとめて、総退艦時の全員の表情を作っているというのが良く解った。途中の戦闘に関しても「晴風らしい」闘い方をしていて、これまでの経験で成長した乗組員たちの姿を観る事が出来たのもとても良い。やっぱはいふりは海戦がメインってそれ一番言われてるから。まあともあれ大団円で良いじゃないですか。良かった良かった。

 

三者三葉 (動画工房) 12話

最終回も含め作画だけの作品だったという印象。安易に可愛さに流されてはいけない。せめて最終回くらいは何かしらの集大成としての部分を出して欲しかったところだが、結局のところ「女の子を可愛く動かした」だけだった。確かに映像としてのクオリティは高く、モーションの凝り方や作画・背景の完成度は非常に高かった。しかし(おそらくこういう事を言うと殴られるのだろうが)ストーリーや演出が絶望的に悪く、女の子が可愛く動いているだけで各々の感情や内面の無い記号化されたキャラクターの虚像だけが延々と画面の中を彷徨っているだけにしか観えなかった。最終話までそういう構成だった事も鑑みて、私は三者三葉は取るに足らないアニメだと言いたい。

 

僕のヒーローアカデミア (ボンズ) 13話

1クール目終わりにしてはかなり弱めな終わり方をしたなあという印象。個人的に演出の大久保朋氏は非常に好きで、穏やかな運びながらもキメるところでしっかりキメてくれるというイメージなのだが、今回に関してもそんな感じだったのでまあ1~4話のブチ上げと比較して弱く感じてしまってるんだろうなという感じ。実際良い出来ではあったので1クールめの最終回としては十分だったんではないでしょうか。前回ほどの作画はなかったが、今回も一定以上のクオリティではあったので良かったかなという感じ。次クールも楽しみにしてます。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 13話

ん~~~~しゅき!! いや良い作品だよなあほんと。細かく丁寧に仕上げられた脚本と作画は観ていて本当に「自然」という感じで、何処を取っても好きという感情ばかりが沸いてくる。キャラの各々の性格がしっかりと練られていて、それぞれが取る言動や行動に違和感が沸かないというのは本当に凄い事だと思います。脚本の森田繁氏は5話の学園生活回も描いてらっしゃる訳だが学園生活回は森田氏に任せるとかそういうのなんですかね。(たまたまだと思うけど) まあともあれ穏やかな良い回だったと思います。あとスパイダーのメカデザめっちゃカッコいい。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david production) 13話

やーうん、良い回だったんじゃないですか? 穏やかで。ギャグも十分冴えてて。良くも悪くも平均的な回だったかなという感じ。他の回に比べるとつよい見所は無いものの、親子の関係の深まりが端的に表現されていて良かったと感じる。まあ物語自体がそれ程つよい盛り上がりのある回ではないのでそのあたりは仕方ない。平均的で良い回でした。

 

マクロスΔ (ビックウエスト) 13話

他の話に比べると悪くは無い。演出の筑紫大介氏の力が結構大きい役割を果たしている印象がある。ヒロアカ2話などでもそうだが、音楽に合わせて物語を推移させるような演出が際立っていて、今話に関してもそれが良く表れていた回という感じ。ただ、脚本自体が馬鹿げているというか「何でもありかよ」という気分になってしまうような流れなので残念である。まあマクロスΔだから仕方ないかと思ってしまう部分があるのである意味これまでの話は成功しているのかもしれない。折り返し地点に差し掛かったが、今後の物語の展開も一応気にはなるし、来クールもたぶん観ます。

 

ワガママハイスペック (AxiZ) 7~12話

良かったんじゃないですか。3分アニメとしては十分なクオリティで可愛い女の子の他愛ない日常が十分描かれていて観てほのぼのする事が出来た。他は特にいう事がないですね。終わり。

 

うさかめ (アース・スター) 4~12話

始めは「てーきゅうの下位互換かな?」と思っていたが最後まで観終えて思うのはやっぱりちょっと違うなという事。最終回はちょっと感動したし、てーきゅうほどのカオスさは無いにしてもギャグも十分という感じで、悪印象は全く無かった。時間を潰すにはいい作品だったなと思います。