2016年夏アニメ第六週所感

最近忙しく優先度の低いアニメは観れない事が多くなってきました。

夏だからね、仕方ないね。

お盆で実家に帰るので更に観れないアニメが増えてきそうです。

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

モブサイコ100 (ボンズ) 5話

神回でした。何だあの動きと迫真の表情描写は。コンテ・演出が藤沢研一氏だった事もあってダイナミックでかつ説得力のあるリアルな肉体の動きが特徴的。また、モブの首を絞めながらテルが恨めしそうに話すシーンなどは1枚1枚の表情の動きが生々しく、かなり没入できるような完成度だった。モブの覚醒後など諸々の演出も非常に上手く、1話での完成度も本当に高い良い回だった。文句のつけようもないほど十分な出来だったと思います。素晴らしい。

 

91Days (朱夏) 5話

めちゃくちゃ面白いやんけぇ……。やっぱり岸本卓は物語の構成が上手い。閉じた空間におけるファミリー間の力関係の変化や以前の行いが因果となって引き起こされる物事、そしてそこから立ち現われてくる人間の心情の変化が本当に上手く表現されている。今回は特にそれが色濃く表れている良い回だったと感じる。作画の質が下がっていたというかキャラの顔の雰囲気が変わったなと感じたが、若干追い詰められつつあるのだろうか。良い作品なだけに作画でこけて欲しくはないところ。頑張ってほしい。

 

91Days (朱夏) 6話

良い。面白い。やはり作画の質が4話までに比べると落ちており少し微妙に感じる部分もあるが、まだ大丈夫という程度。物語の中で予定調和と意外性がかなり良いバランスで組み立てられているのが良い。タイトルからして「あーこれはこうなるんだろうな」という予測が立つ回だが、その通りに大枠では物事が運び、間のディテールで意外性を出してくるというのが非常に面白い。アヴィリオがネロに「この時を待っていた」と言うシーンではこちらまでぞっとするような迫真の演出で、観ていて鳥肌が立った。全体的なクオリティが高い良い作品だと思います。

 

NEW GAME! (動画工房) 6話

神回でした。まず物語の構成が非常に上手く、四コマ原作の強みを生かしたテンポ感だけでなく前後の繋がりを上手くつけるような脚本で、個人的には各々の休日を描いた後に青葉ちゃんが「みんなどんな休日を過ごしてるんだろう」といって繋げる部分が自然ながらも良い構成で面白いなと感じた。作画に関しても今話は特によく、青葉ちゃんが髪を鏡に向かって直すところや着替えるシーンでのカットの割り方が本当に上手だったり作りも丁寧で感心した。ひとつひとつの動作に関しても中割りが工夫されていて重みのつけ方が上手いので観ていて説得力があるなと感じる。いやー本当に良いものを見させていただきました。ご馳走様です。

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 6話

可愛くて良い回でした。やっぱりつむぎちゃんは可愛いなあ。ただ話の線自体はあまり好みではなかったというか、演出なりタイミングの関係でか八木くんがかなり空気の読めないただの微妙な人になっていたのが悲しい。まあつむぎちゃんの動きが可愛かったので良いけど。今回は今までの話を観てきた視聴者が小鳥さんや犬塚先生に共感する事を求められる若干評価の別れやすい回だとは思うが、纏まりよくテンポよく仕上がってたので良かったと思います。脚本が成田良美氏だったのもあるとは思うが、まあ良い回だったと思います。

 

Rewrite (エイトビット) 6話

ああ良い……。オタクじゃないけどオタクだからこういうのほんと好き。ルチアちゃんは可愛いなあ。可愛い。会長の見下したような冷たい目も本当に好き。Rewriteは穏やかな日常の中で背景にある良くわからない何かがじわじわ染み出してくる物語の展開が良いなと感じるが、ここから更に展開が加速するのかなあという楽しみのある話に仕上がっており、大変面白かった。作画は若干粗くなっていた印象だが特に気にならない程度。良い回でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 5話

大変面白い回だった。個人的に内田真礼をあのキャラに充てるのはちょっとした悪意があって好き。アクティヴレイドはこういう実際にあった出来事やありそうな事を荒唐無稽に描いているという点で本当によくできたアニメだと感じる。かつて学生運動に燃えた人間がアングラな世界で拗らせたまま、利用できる他者を巻き込んで小規模で嫌がらせ的な事件を起こすというのは現代でもあり得る事で、そういった部分を表現出来ていて面白い。今回は鳥による明示的なメタファーが提示されていたが、ああいった演出にも凝れているのは良い事だ。大変面白い回でした。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 18話

これまでの話と比べてテイストの異なる面白い回だった。カルロスの心情にスポットが当てられつつも、会話を主体に構成されその思いが背景に溶け込んでいくのが特徴的で面白い。コテージでみんなで机を囲んで会話をしている最中の「意味は解らないけど会話が成り立っている」という状態は、彼らには彼らの世界があって、視聴者はそれをあくまでも外から観ているだけなのだというのを思い知らされるとともに、その巧妙な構成から「それでも面白い会話をしている」というのがはっきり解るというのが素晴らしい。登場人物の考えや何やらをトレースしているからこそこれだけの会話が作られるのだろうなと感心した。良い回でした。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 19話

18話までで剣之介の雪姫に対する忠義心はかなり強く示されていて、特に14話辺りからは由希奈が少しないがしろにされる(というか振り回されていた)描写が多々見受けられたという事もあって、剣之介は由希奈と雪姫のどちらが大事なのかという雰囲気が他の登場人物の言葉端からも読み取れていた。今回はBパート最後のシーンで、やはり剣之介は雪姫にかける思いと由希奈にかける思いとの質が違い、由希奈には忠義心ではない信頼や諸々の感情が混ざった「大切」な感情になっているのだなあと感じられた。それに応えるようにCパートで由希奈が剣之介を呼ぶという構成が本当に上手く、あークロムクロ、いいぞ。これだよ。という気持ちになる。いや本当に良いですよ。良い回でした。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 5話

良い回でした。今までの回に増してテンポ感が悪かった気がするが、まああまんちゅ!なのでさして気にもならないという感じ。キャラの個性が強いので若干の違和感はあるが数話で慣れるでしょう。今回は先輩との邂逅を果たし新たな一歩を踏み出すという回だったが、今後どういう目的をもって進むかが、でこと一緒に視聴者も確認できるという作りなのは良いなと感じる。5話という事で若干ダレる可能性もあるところで目標設定が為されるというのは面白い。良い回でした。

 

バッテリー (ゼロジー) 4話

いやあ良い。バッテリーはやはり心情描写を人の言葉や動きで表現するのが上手い作品だ。これまでもそうだったが、セリフがしっかりと聞き取りやすく、アニメという舞台を利用した朗読劇を聞いているような気分にさせられる。激しい動きはないが、心にしっかりと残る演出なのも大変好印象。今回はコンテが沖田宮奈氏ということもあり、落ち着いて安定感のある構図が多く、作風に良く合っていたという印象。良い回でした。

 

バッテリー (ゼロジー) 5話

穏やかで良い回でした。昔あさのあつこのバッテリーを読みながら空想した頭の中がそのままアニメーションになったようなそんな感覚を受ける巧妙さがあり、良いアニメだなと感じる。巧の繊細な自意識や、先輩のやっかみなど諸々の感情が表情を通して読み取れるというのも、スタッフ間でイメージが統一されているからだろうなと感じる。今回は特に出来の良い回だったと思います。

 

食戟のソーマ 弐ノ皿 (J.C.STAFF) 6話

良いなあ。良いですよほんと。2期に入って男のおはだけ多くないですか? そろそろちゃんと女性のおはだけも見せて頂きたいんですが。薙切エリナちゃんのおはだけだと尚良いんですが。今回も安定した作画と演出でかなり良かった。演出の奥野浩行氏がベテランという事もあり、今回は特に安定していたように感じる。作画などでも乱れはなく、模範的な一話だったように思います。良い回でした。

 

ねじ巻き精霊戦記天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 5話

面白い。非常に良い回でした。ヤトリとイクタの過去が明らかになる回であったが、個人的には文化的な考証が良く為されているなあと感動した。母親の服装や料理の雰囲気から、西洋の文化に日本の文化が混合されたような文化形態であるのだとわかるし、科学が十分に発達していない中世的な世界観だが生活レベルは近代のそれであるという事も読み取れるような、言葉では表さないまでも良く背景が読み取れる構成なのが良い。アクションなどに関してもよく考えられた動きで大変良かった。地味だが良いアニメだと感じる。

 

DAYS (MAPPA) 6話

何というかバカみたいなアニメだなあと思います。これは褒め言葉なのだが、とにかくスポコンとして必要な「周りの協力や仲間の理解によって主人公が様々な事に気づき成長する」という部分のみを抑え、他には熱い人間関係だけが配されているという、とにかく余分なもののないスポコンアニメだと感じる。サッカーそのもののルールや詳しいテクニックなどを知らなくても、つくしという初心者のキャラクターが「走る」事だけを見続けるがためにこちらもその程度の知識で良いというのは面白い。特に6話はその成長の部分が良く描かれており、良い回だったと思います。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david production) 19話

うーん作画などの印象がガラッと変わった回でした。やはり原画・作監などを韓国人アニメーターメインでやっている回は絵柄がかなり変わる印象。質が悪いという訳ではないのだが、やはりアメコミっぽい絵柄になるとイメージが変わるのであまり好きではない。仗助と億安がパイプを直してビルの間から浮き出てきた時の構図などはかなり良く、良い立ちを観る事が出来たなと思う。ふでやすかずゆき氏脚本回という事で話自体のは文句なく面白い。良い回だったと思います。

 

マクロスΔ (サテライト) 19話

説明回と割り切った回面白すぎるでしょ。喋りすぎなんだよな。メンバーが一堂に会して敵のスパイかもしれない人間からの情報を聞きまくるの何なんだよ。とにかく「説明しなきゃ解らない事を説明回と割り切った一話で全部説明する」のが何というか大変悲しい。確かに過去作品からの繋がりだったりその背景を説明したくなるのは解るんだけど、断片的に事実を配置して受け手が考察する余地を残すような作り方は出来なかったんだろうか。とにかく興ざめの一言に尽きる。

 

アルスラーン戦記 風塵乱舞 (ライデンフィルム) 6話

良い回だったと思います。ルシタニア側の様子を描いた回という事で、イリーナの執念やエトワールの心情の変化が良く読み取れるように構成された回だった。ナイフを持つイリーナの姿や、じわじわと刺される苦しみを表す国王の様子が迫真で、豪胆に剣を交わす戦士とはまた違った命のかけ方をする人間の様子が観て取れて大変良かった。テンポ感もよく観ていて非常に心地よく、良い回だったと思います。