2016年夏アニメ第十一週所感

最終話も近くなり、ネタバレに敏感になっている方も多いとは思います。

ご承知の事とは思いますがこのブログはネタバレを多分に含みますので、ネタバレされたくない方には読む事をお勧めできません。

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

 

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 10話

はい優勝。優勝でした。いよいよ春濁りが終わって全体の雰囲気も一気に夏めいてきました。1話からのてこの成長や意識の変化、そういった諸々の事が対比的によく表現されており、更にぴかりとの関係を言葉によって清算するシーンなどは、それまでのバディとしての意識の移り変わりにぴったりと寄り添っていた。それぞれのシーンにぴったりと合ったレイアウトや背景が情動を更に増してくれる良い演出になっており、本当に感動してしまった。危うく涙を流すところだった。流したけど。ともかく、12話で潜る海の描写と演出とが本当に楽しみになる1話であり、最終話を意識した素晴らしい回だったと思います。あー本当に良かった。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 10話

面白くなって参りました。まあ元々面白かったけど、いよいよ稲城さんが黒幕(結局八条からみれば手先扱いだったんだろうけど)として名乗りを上げてきて、今までの割と明るめの展開から一転して一気に最終話に向けて急降下する展開はアツい。特に教会のステンドグラスを背景に黒騎と稲城さんが殴り合うシーンなどはこれまでの物語を踏まえると胸が熱くなる。最終的には八条が上手い事立ち回って稲城さんをハメた挙句第八に仕事が回ってくるという展開になるんだろうけど、あと2話でどこまでこれまでの伏線を出し切れるかというところに期待が集まる。作画はアレだけど本当に面白い。良い回でした。

 

NEWGAME! (動画工房) 11話

こうちゃん可愛いよ~~~~。いやひたすらに可愛かったなあおい。何が可愛いって照れる表情が可愛いんだよなあ。更に言えば照れてる八神さんを撮ってニヘラとしている遠山さんも最高だよなあ。何だこのアニメは。ほんま最高やで。OPが特殊OPどころの沙汰ではなくまんまフェアリーズストーリー3のデモ映像だったというのも表現として面白いし、ゲームを作る会社のアニメなんだよなという事がはっきりと認識される作り。八神さんのインタビュー記事に「映像は動画工房さんにお願いし」等という事が書かれているのも面白くて良い。いやはやえらいアニメですよ。これももう終わりが近いのかと思うとひたすら涙が出てくる。

 

モブサイコ100 (ボンズ) 10話

いやー相変わらず物凄い書き込みだ。今回は戦闘が非常に多くかなりのボリュームだった。特にパイロキネシスの彼が出てくるシーンではよくあれだけのカット数圧倒的に動く炎を描き続けられるなと驚いた。いやほんとすごいですよ。ただ8話の作画が人知を超えすぎていてこれでさえ霞んで見えるというのが訳の分からん話だ。とんでもねえ。あと2,3話といったところでラスボスが霊験である事が判明し、次回予告でばらしてしまう(解ってたけど)というのが非常に良い落ちになっていて面白い。8話辺りからギャグが少なくなっているので少し残念ではある。

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 11話

なーんか成田良美感あるなと思ったら案の定成田良美氏脚本回でちょっと悲しくなってしまった。苦手な脚本家の担当回を察知出来ても良い事なんか何もないんだよな。今回は作画や背景が特段良かった事もあり、かなり楽しめた回だった。つむぎちゃんが落ち込むシーンやひとりになって俯くシーン、しのぶちゃんがぎっと八木を睨むシーンなどレイアウトが良かったりする場面が多く感動した。しかしやはり成田良美氏の担当回では誰かが割を食うというか、印象が悪くなってしまうというのが個人的に好きではなくて、感動の代償にキャラの印象が投げ捨てられている感覚があって好きになれない。良い回ではありました。

 

マクロスΔ (サテライト) 24話

マクロスΔはもう完全に茶番アニメだよなあ。作画が復帰した事に喜んだのもつかの間、今度は作画が気にならなくなった事でストーリーのガバさに気が付くのだった。まあ早々にマクロスΔは雰囲気と世界観だけ提供してくれるアニメだと割り切っていたから良いが、やはり全体的に雑というかノリと勢いだけでよくここまで持ったなあという印象。こっから美雲さんとフレイヤがどうこうなってフレイヤの寿命が云々でという話に持って行かれるんだろうが、何せハヤテ以外の男キャラが基本的に雑な扱いをされている時点でもうという感じだ。作画や演出などは良かったと思います。

 

バッテリー (ゼロジー) 10話

良い回だったと思います。最終話に向けて視聴者にモヤモヤした感情をグッと抱かせる脚本と演出で、最終回でどういう纏め方をするのだろうかと楽しみにさせてくれるような回でした。個人的にキャプテンと瑞垣が電話をする場面のカットの切り方や間の持たせ方が大変好きで、絵に描いた小説という印象だった。原作にあった詳細な設定をグッと省いて巧と剛とその周辺のみを重点的に描いてあるからこそバッテリーの問題として物語をとらえられるようになっているというのは監督の手腕あってこそだなと感じる。良い回でした。

 

Rewrite (エイトビット) 11話

Bパートから10話に比べて作画が段違いに改善していたので大変ホッとした。特に絵柄が前半EDの野中正幸氏の絵柄に近くなっていて、柔らかい印象になっており観ていて安心感があった。物語も佳境に差し掛かり、いよいよ次回次々回あたりで決着が付きそうだなという助走に入っている事もあってかテンポ感も程よく面白い。全体的にバランスの良く取れた良い回だったと思います。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 11話

作画が若干乱れてましたね。個人的に秘書子は結構好きなので良いなあという感じ。大変可愛く描かれている良い回でした。秋の選抜を終えてあっさりスタジエールが始まったかと思うともう1店舗目が終わってしまうというテンポ感の早さ。今回に関しては今までと比較して印象的なカットも少なく、いまいちパッとしない回だったなという印象。全体的にコンパクトに纏まっており、食戟のソーマ特有の派手さのようなものもあまり見受けられなかった。中継ぎの回という印象が強い。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 24話

あ、こんなにあっさり進んでしまって良いの? 作画が全体的に粗く、P.A.WORKSらしい丁寧で繊細な描写がほとんど見られなくなって久しい。悲しい。展開が非常に早く、これまで手こずっていた幹部・大将クラスをバッタバッタとなぎ倒していく様は痛快だが、逆にそれが拍子抜けさを引き立てていたなという印象。これまでゆっくり関係を築いていた由希奈と剣之介の関係も剣之介が言葉に出した瞬間から「あ、今までのものが清算されてしまった」という気持ちになり、どんどん置いていかれる気分になってしまった。結果としてボス不在のまま24話が終わってしまった為にカタルシスも小さく、何処となく残念だった。ここから最終話までどう落とし込むのか気になる回であった。

 

91Days (朱夏) 10話

コルテオ……良いやつだったよ……。まあ死ぬだろうなとは思っていたしアヴィリオの手でというのも何となく予測はついていたが、実際目の当たりにすると悲しいもんだ。作画に関してはもう何も言うまいという感じだが、物語の筋というか雰囲気作りはかなり良く、コルテオとの兄弟としての絆を確かめるような演出を多々盛り込んだ上で最後の最後に落とすという脚本は典型的ではあるが雰囲気の特異さもあってかなり良くまとまって、面白いものになっていた。良い回だったと思います。

 

DAYS (MAPPA) 11話

これだよ。DAYSにはこれを待っていたんだ。努力が報われてパスが出る。そういう単純な感動を与えてくれるのがDAYSの良いところだ。スローモーションの使い方が上手く演出力を感じる。10話まで落ち込んできていた作画のクオリティも戻り、ボールをめぐる駆け引きも臨場感のあるモーションで見せてくれている。今回の為にここまで溜めて来た諸々のものが爆発している感があり、カタルシスにも似た感動を味わわせてくれた大変良い回だったと思います。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 10話

ufotable作品は作画が半端ではなく良いだけで既に頭の中で肯定されてしまうのでなかなか批判的に観る事が出来ないが、今回は物語として落ち着いた幕間の回だったなあという印象。一応クールの終わりが近づいているのでその準備段階といった感じで、一区切りさせるための波乱に関係する登場人物が出揃ったんだなと思うが、それ以上の事は特に感じなかった。安定したクオリティで雰囲気が良く作られたアニメを継続して作り続けられるのは素晴らしい事ですわ。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 10話

物語としては非常に面白く、特に地上波で指を落とすシーンをしっかりと描けるというのは凄い事だと感じる。9話でも若干の怪しさをはらんでいた作画がやはりここにきて崩れてしまったのは少し悲しいが、マッドハウスという事でしっかり収めてくれるだろうという期待はある。序盤の殺陣などにも見られるようにやはり動きにはかなり凝っている事がわかるし、今後更なる戦闘シーンでもっとこれが観られるのかと思うと楽しみである。良い回でした。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 24話

かなり作画が怪しかったですね。ただやっぱり康一くんはカッコいい。仗助や億安が若干間抜け気味に描かれているが故に対比されて余計にかっこよく見える康一くんは本当に愛されてるなあ。脚本自体は非常に緊迫感があり、追い詰められた時の吉良吉影が演技をする時の森川智弘の演技なども相まってかなり見ごたえのある印象に仕上がっていた。脚本・演出の力が強い。ただやはり作画の怪しさという点も含めると全体の評価は下がるなという印象。面白い回ではありました。