2016年夏アニメ第十二週所感

今週で甘々と稲妻とNEWGAME!というビッグタイトルが二本とも終わってしまったので大変悲しい。

今後どうやって生きていったらいいのだろう。

 

ともあれ今週もいってみましょう!

 

 

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント) 12話

最高の最終回でした。ありがとう広田光毅ありがとう岩崎太郎ありがとうトムス・エンターテイメント。つむぎちゃんがちょっとむくれもしたけれど、それも犬塚先生とつむぎちゃんとが解り合うための大事な一歩で、みんなが幸せになれるワンステップなんだなあと最後に涙を流しながらうんうん唸っていた。小鳥ちゃんにも色んな過去があって、それが暗に示され続けていた中で、お母さんとの関係に少し変化が生じるそのきっかけになるような形になっており、これからも彼ら彼女らの物語は続いていくんだという事とここで甘々と稲妻は終わってしまうのだという事がどちらも両立している素晴らしい最終話でした。うわあ終わってしまうのか。悲しい。二期も是非よろしくお願いします。

 

NEWGAME! (動画工房) 12話

いやー終わってしまうのか。悲しい。まあ原作のストックは多少あるし終わり方もまだ続きがあってもおかしくないような引き際だったので二期にも期待しましょう。この回自体は今までよりもかなり繊細な作られ方をしていたように感じる。特にセリフの間合いが良く、キャラクターが言葉を紡ぐ行間を感じられるようになっていた。作画などはいつも通り安定したものだった事もあって、その最終回としての虚しさを残しつつ個々の背景にしっかりと踏み込む脚本の良さがいつも以上に際立っていた。NEWGAME!はやはり良い作品であったという事をしみじみと実感させてくれる最終話でした。ありがとうNEWGAME!、ありがとう動画工房

 

モブサイコ100 (ボンズ) 11話

相変わらず作画が物凄くて笑う。前回の終わりがけにラスボスは霊験かと思わせておいてしっかり序盤からウソの前提で話を進めたり、今までギャグ役メインだった霊験をガッツリシリアスに絡ませたりと最終話を前にして展開の切り返し方が上手い回だった。戦闘シーンでの回り込みやパンの激しさは今期アニメの中で群を抜いており、今回は特に視点移動が激しい回だった事もあってよくここまでのクオリティを維持できるなと感心する。最終回は間違いなく100%を超えたモブの苛烈なアクションが待っていると確信できるので大変楽しみだ。

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF) 11話

いや最高でしたね。背景の美しさが際立ち、テンポ感もよく何よりお姫のモーションが本当に可愛くて良い回でした。全体的にレイアウトの構成が良かったため色の濃い自然感のつよい背景が強調されて、涼やかな夏の色や匂いが想起されるような仕上がりになっていた。コンテの佐山聖子氏の力量あってのものという感じがする。大変良かったです。お姫の可愛い動きやそれに伴ったてこやぴかりの動きなど、とにかくモーションに関しては褒めるべき点が非常に多かった。中割りが工夫してあり違和感のない可愛い動きで大変良かったです。良い回でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ) 11話

いやあ面白いですよアクティヴレイド。とにかく特撮モノなんかの定番を踏襲しつつしっかりと近未来らしい展開を盛り込む方向性が本当に観ていて面白い。作画が安定してくれれば尚良いんだけどそれはもうアイムズだから仕方ないねとしか……。今回は特にパソコンがぶっ飛んで行くところとか笑うしかなかったが、もうその辺も含めてのアクティヴレイドだと言うしかない。ミュトスが動画を公開する場面から黒騎が稲城を殴って衛星が降下してくる下りはもう解っていたけどだからこそアツくならざるを得ない展開で大変良かった。良い回でした。最終回も楽しみだ。

 

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable) 12話

二期決定ありがとうございます! 脚本が良い回だったと思います。作画に関してはもうufotableなので言うまでもないが、ちょっと言うとすれば若干影のつけ方がのっぺりして、一定のクオリティを保つために工夫しているんだなというのが解ったという程度。やっぱり大変そうだ。脚本・演出が今回は特に良く、ロゼの印象を上手く回復しつつアリーシャを立たせて導師としての力の限界をスレイが思い知るという幾つものキーポイントを自然な流れで盛り込んでいるというのが素晴らしい。大変良い回だったと思います。

 

クロムクロ (P.A.WORKS) 25話

え、次回で最終回らしいけどこれちゃんと終わるんですか!? 一通りの伏線なり何なりをどう回収するのか全く解らないけど檜垣亮氏が何とか収めてくれるのだと期待しておくしかない。今回はいまいち乗り切れないというかやりきれなさが残る回だったなと感じます。たぶん意図して作られたこの「スッキリとした勝利ではなく、その後も不快な諸々が残る」という演出は、次回でのカタルシスの為に必要なステップなのだと思うがどうしても心に重く漂う何かがある。戦いの終わりは当事者以外にはいまいちピンと来ないものだったり英雄に枷は付き物だとかそういう部分に関しては非常にリアリティがあって良かった。良い回だったと思います。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio) 25話

第四部で、猪爪真一氏はガッツリとストーリーに噛む訳ではない合間の回の脚本を任される事が多いが、今回も今まで同様非常にテンポ感の良い筋立てになっており面白い回だったと感じる。演出やレイアウトも安定感があって良かった。一話としてのまとまりが良く、他話との関連性は随所に出しつつ今話単体で観て始まりと終わりがきっちりと付けられている点が評価できる。安定感のある良い回だったと思います。

 

DAYS (MAPPA) 12話

いやあ今回はレイアウトと演出が非常に良かったですね。宇田鋼之介氏の演出力がかなり光っていた。DAYSは4話辺りからただ熱いだけの展開に正直うんざりしていたのだが、今回ようやく2人が挫折を味わって涙を流すという経験をしたというだけでなく、その重要さを十分に引き出す演出が非常に魅力的で見直した。個人的に生方さんの語りは非常に恥ずかしくて俯きがちに観ていたのだが、あれはあれで良いものではあるのかなとは思う。共感性羞恥があるので厳しい部分もあったが。というか生方さんの処女力強くないですか。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス) 11話

クオリティも高く良い回だったと思います。脚本よし作画よし演出よしとかなり完成度が高くバランスが取れていた。イクタの手の傷が開くシーンなど描写も丁寧で、ヤトリたちのアクションシーンも緊迫感のある良いものだった。敗北を綺麗に描けるという点でも評価できる部分は多く、余計な描写や邪魔なあれこれの無いスッキリとした仕上がりだった事も他のアニメに比べて良い部分である。今回はそれらが特に顕著で良い出来だったと思います。

 

マクロスΔ (サテライト) 25話

父親の遺品というか贈り物が母から送られてきたシーンに関しては大変感動的な仕上がりになっていてよかったと思います。レイアウトが良く、それぞれのカットの完成度が高く、作画の良さや背景の繊細な美しさがより際立つ作りになっていた点でかなり評価できる回だった。脚本としては「これまでのマクロスシリーズとも関わってるんだぜ」というのをほのめかしてはいるものの、結局情報の出所が外部の人間で、ケイオスの人間はとにかく受け身にミッションをこなすだけという状態で、何というか「これでいいの?」となってしまった。まあ組織の構造上そうならざるを得ないとかあるんだろうけど。そういう意味で脚本的にはいまいち好きになれない回だったとも言える。はっきりと良し悪しを言いがたい感じでした。

 

91Days (朱夏) 11話

比較的良い回だったと思います。作画に関してはある程度目をつぶれば文句ない程度には回復してきたし、物語が佳境に入っているという事もあってテンポ感良く面白い演出が光っていた。ただ、確かに物語は盛り上がりいよいよクライマックスに向けてという段になって来はしたものの、以前のような登場人物の心情にスポットライトが当たるような描写が少なく、事実の積み重ねで物事が進展していく様を客観的に描いているだけという印象が強い。次回でこのフラストレーションを如何に解消してくれるか楽しみである。

 

食戟のソーマ 弐之皿 (J.C.STAFF) 12話

かなりテンポ感が早く感じる回だった。ただ、あれだけの内容を一話にほぼ違和感なく詰め込めるのはヤスカワショウゴ氏の手腕あってこそのものだなあとも思う。次回の最終回までに収まりの良いところに落ち着ける必要があったための駆け足なんだろうが、描写が浅くなってしまっているという部分が残念だ。恐らくコンテもかなり厳しい日程調整だったんだろうなというのが人員配置や作画の質から伺える。来週で最終話なので、せめて最終話は駆け込みでも良いからしっかりと仕上げて欲しいなというところだ。ここだけの話ですが薙切アリスちゃんがタオルを頭に巻いて男に囲まれているシーンで抜きました。

 

Rewrite (エイトビット) 12話

作画が本当に酷い。どうしようもねえ……。物語の展開自体もとりとめがなく、幾らトンデモ設定が大量に含まれていたり背景に大きな設定があったりするとは言っても許容できる範囲を超えている。地球の裏側の~と言いつつ何故か辿りついていたりそこからワープしてきたりと、とにかく最終話で全てが明らかになる(あるいは十分に考察すれば何かしらの理由が導ける)事を期待しているが、1話として考えるとこれまでの話の中で最低のクオリティだったと感じる。原作プレイ済みでない視聴者が置いて行かれる事や作画のクオリティが本当に酷かった事など、諸々含めて許容できる回ではなかった。