2018年冬アニメ所感

はいどーも。リアル人類のKambayashi0619です。

今期は名作と呼ぶべき作品が多く、順位付けの出来ない大豊作なクールでしたね。

前置きはさておきさっそく始めましょう!

いつもの事ですがネタバレを大いに含みますのでご承知ください。

 

恋は雨上がりのように (WIT STUDIO)

覇権筆頭候補作品。作画、演出、脚本、音響、どれを取っても極めて高度な作品であり誰にでもオススメできる名作。

1カットとして無駄なカットが存在せず、全てのカットに詩的な意味が付与されている為冗長さが皆無なのが特徴的。友愛や恋愛といった様々な愛の形と感情の変遷が言葉のみならず絵にも現れており、アニメーションにおける文学的表現のひとつの極致に至っているように感じた。

主人公である女子高生の橘あきら、彼女が恋するバイト先の店長、どのキャラクターを取っても非常に人間的なメンタリティで、全ての感情に共感できる。彼らの心理描写がひとつひとつ丁寧に描かれているため、行動原理から全ての言動をトレースできる点でも脚本力の高さが実感できる作品だ。

作画面に関してもあらゆるカットに無駄や妥協が無く、何処を取っても美しい。また外連味溢れる表現や美麗な情景描写など、徹底した美しさの追求によって作り出された画面には現実から汚さを捨象した美のイデアが宿っている。

あらゆる面においてハイレベルで、今期のアニメを語る上で外す事の出来ない名作。必ず観るべき作品です。

 

DEVILMAN crybaby (サイエンスSARU)

覇権筆頭候補作。Netflix限定配信アニメという事で視聴ハードルは高いものの、倫理ある人々には是非とも観て頂きたい一作。

湯浅作品の良さをこれほどまでかと詰め込んだ、作画・脚本・色彩、あらゆる点で極めて高度な作品になっている。単に芸術作品として美しいというだけでなく、人間愛と倫理について考えさせられる文学的な一作であったとも言える。

そもそもデビルマンというダークヒーロー像自体が極めて文学的な存在であり、今作も原作のデビルマンの流れをしっかりと踏襲しているものの、今作では特にその本質的な思想を強調した妥協のない作品であったと言える。愛とは何なのか。正義とは。優しさとは。悪はどこに宿るのか。人類がこれまでに語り続けたそれらの思想について語り切るようなこの作品は、視聴者の心に一片の熱い思いやある種の曇りを残すだろう。

恋は雨上がりのようにが観る純文学なら、デビルマンcrybabyは観る哲学書と言っても良いかもしれない。洗練された思想は画面から溢れ、訴求力とインパクトのあるメッセージの奔流となって現代社会の汚濁を流してしまうようなそういう印象を受けた。

押山清高さんによるポップでありながらもグロテスクなデビルデザインは湯浅作品にしっとりと馴染み、スパイスのようにその思想を引き立てる。美しいだけではない演出も、グロテスクさの中に溢れる美しさも、どれもが高度な技術を用いた表現でありこれまでになかった一作となっている。

倫理ある現代人の義務教育とも言ってしまいたいほどの一作。興味がある人には是非観て欲しい。誰もが面白いと思えるかというとそうではないと思うが、好きな人は必ず好きになれる作品なので、少しでも面白そうだなと思った人は観てみてください。アニメ史に残る名作である事は保証します。

 

宇宙よりも遠い場所 (マッドハウス)

少女たちは南極を目指す。そして宇宙よりも遠いその場所に彼女たちは至る。文科省を始めとした様々な機関が後援するこの作品は、単なるロードムービーに収まらない高度な人間ドラマとして「完成」された作品である。今期を彩る作品の中でも特に、人間同士の背景に張り巡らされた関係性を描く異彩を放つ作品で、これまた誰にでもオススメできる一作と言える。

四人の少女が集まってひとつの目的地を目指すその展開はローリング☆ガールズを彷彿とさせるが、かの作品とはまた違った魅力が溢れている。主人公である四人は各々人間関係で傷ついた過去を持ち、他者との関わりに大なり小なりコンプレックスを抱えているが、彼女たちの間に構築される関係性は、単なる傷の舐めあいや馴れ合いではなく、かといってこれまでに描かれてきた濃密な友人関係でもない。誰もが感情や思想を持った個人であり、理解できない他者である事を前提とした尊重し合う関係性なのだ。

彼女たちは思った事を口に出し、熱い思いをぶつけ合う。自分たちは異なる存在だからこそ互いに抱く様々な気持ちや無理解、共感を相互に交換し合う事でお互いの事をより深く知る。そういう理想的な人間関係がこの作品の根底には流れている。

あえて何もしない事も優しさである。友だちはいつだって一緒である必要はない。そういう当たり前を当たり前にしてしまわない部分にこそ私たちは青春の淡く美しい輝きを見出すのだろう。

マッドハウスらしい美しく妥協も中だるみも息切れもない作画も魅力的ながら、背景美術の美しさや演出の強さなど、どれを取っても極めて高度な作品だった。これもまた誰にでもオススメできる作品であり、他のクールであれば確実に覇権を握る作品だった事だろう。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン (京都アニメーション)

美しいの一言に尽きる人間ドラマ。京アニの作画力の粋で構成された非常に美麗な作品で、先に挙げた3作品と並ぶ今期覇権候補のひとつ。

透明感の高い作画は背景と穏やかに馴染み、目に優しく、心に優しく染み渡る滋味深い仕上がり。アクションシーンにも妥協が無く、人間のモーションを外連味も含めてリアルに描いた高度な作品で、どのカットを切り抜いても一枚の絵としての完成度が高い。特に光の表現が素晴らしく、これは他の京アニ作品にも言える事なのだが丁寧に物の質感を描いている点が非常に好印象。また、レイアウトもよく考えられており、人と人との位置関係や視点の誘導など隙が無い。今期放送作品の中ではマットな印象の恋は雨上がりのようにと相反する印象だが、作画面では一二を争っていると言っても良いだろう。他クールならば間違いなくトップレベル。

物語も心に響くハートフルな仕上がりで、終盤はただただ毎話感動の波状攻撃に耐えるだけになる。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは歩み寄りの物語だ。人間らしい感情を持たなかったヴァイオレットが様々な人との関わりの中で感情を獲得するのと同時に、視聴者を含むヴァイオレットの周りの人間もまた彼女の抱く感情やその行動原理を理解する。互いの歩み寄りの先には共感と理解があり、全ての言葉に意味が付与される。初めは歪だった彼女の言葉には次第に我々の感情が映り、そして綺麗に磨かれた言葉にいつしか我々は自分の感情の姿をみるのだ。

人間の美しい感情に、自分の持つべき清らかな感情に触れたい人間はヴァイオレット・エヴァーガーデンを観るがいい。そこにはきっと、純粋な愛と希望があるだろう。

 

ダーリン・イン・ザ・フランキス (TRIGGER / A-1 Pictures)

舞台設定の大きさで言えば今期最大の作品。さすがはTRIGGERといったところで、アクションや演出の端々にその膂力の強さが現れる。ただ、TRIGGER作品であると同時にA-1作品でもあるのでTRIGGER作品を求める人にとっては物足りないかもしれない。

エイプと呼ばれる謎の存在、オトナとコドモという構造、歪な世界像など謎が謎を呼ぶ世界観だが、設定が十分に練り込まれ、情報の出し方が丁寧なので観れば観る程に引き込まれる。コドモたちは無知ゆえにセックスの真似事を続け、その意味を知らぬままにメンタリティは成長する。彼らの精神性は我々の精神を分割して付与されていて、それぞれのキャラクター性がすなわち成長に従って変化する個々の性質に対応している訳だが、彼らが成長するにつれて世界と触れる側面に個性が出るという極めて面白い構成になっている。

考察好きのための考察アニメといった部分がつよく、他のTRIGGER作品に見られるような極端な爽快感などは控えめになっている。(キズナイーバーに近い) だからと言って面白さが損なわれている訳ではないが、作画が高度で大変よく動く事もあってどこかアンバランスな印象を受けるのは気のせいだろうか。

他作品の圧が強いため少しインパクトが薄くなってしまっているが、本質を伝えようとする作風や重要なシーンで画面が狭まる演出、他にも作画の良さなど大変良い点の多い作品である事は確かだ。ロボットアニメの粋を詰め込みながらもあれもこれもと欲張りで意欲的な作品でもある為、観て損はしない一作。

 

ゆるキャン (C-Station)

ディテールを省略しない大変素敵な作品。色彩設定やモーションなど随所にこだわりの見られる良作で、誰にでもという訳ではないがオタクには確実に勧められる。

どこかヤマノススメを彷彿とさせるパステルな色合いは登場人物の印象に暖かな印象を与え、その穏やかな作風に非常によくマッチしている。ポップで遊びの多い演出が見受けられ、テンポ感も相まってただひたすら良さの波に飲まれる事請け合いである。

主要登場人物の関係性も、よくきらら系作品で見られるような濃くてべったりしたものではなく、それぞれが認め合いながらも適切な個人の距離感を保つリアルな関係で、見ていて気持ちがいい。この辺りの関係性は宇宙よりも遠い場所に少し近いかもしれないし、ゆるキャンはゆるくてポップである種タンパクな宇宙よりも遠い場所と言ってもいいのかもしれない。(言い過ぎ) 

制作のC-Stationについては全くチェックしていなかった制作会社だったが、1話から最終話まで変わらぬクオリティで大変素晴らしかった。今後も期待したいところだ。

その緩さや作風の暖かさ、ポップな演出、美しい背景美術、雰囲気にマッチした音響など、一生観ていてもおそらく苦痛ではない作品。脳直で無限ループしてくれない?

 

魔法使いの嫁 (WIT STUDIO)

秋アニメから続く2クール目。1クール目に続きよく出来た作品で、WIT STUDIOはこれと恋は雨上がりのようにを同クールに放送してるのかと思うと本当にぶっ飛んでるな。変わらずハイクオリティではあったが、終盤では少し息切れが感じられる。仕方ないね。少し息切れしてるとは言っても普通に素晴らしい出来のままなので是非観ようね。

魔法使いの嫁の良さについては秋アニメのところで十分語りつくしているのでそちらをチェックしてください。

大変良い作品なのでみんな1期からちゃんと観ようね。

 

Fate/EXTRA Last Encore (シャフト)

シャフトらしい良さの詰まった大変刺激的な作品。私は原作未プレイですが十分楽しめているので未プレイでも是非観て欲しい。

本作で語るべきはまどマギを思い起こさせる特徴的な背景美術。特に第三階層の数回はシャフトならではの不思議で魅力的な背景で、何処をとっても美しい。アクション作画もキレており、特にセイバーが完璧すぎるんだよな。何だアレは。煽情的すぎる。個人的に好きなのはOPなんだけど、セイバーが無限に乱舞しながら西川貴教のつよい歌が響く映像に良くない点があると思うか?

放送開始が遅かったためまだ9話までしか観る事が出来ていない。まだまだ謎は多く残り最終話まで楽しみな作品。そういう訳でまだ観てない人も間に合うので是非観て欲しい。Fateの世界観だったり設定が把握できてないと理解できない部分がある気はするので他作品で予習してから観るとよい。

 

ポプテピピック (神風動画)

非常によく出来たメタ作品。必要以上に持ち上げて考察したりしてるサブカルクソ野郎どもは全員ぶち殺してやりたいが、それはそれとしてよく出来ているし実際面白い。

元ネタが解ればより面白いけれども元ネタが解らなくても何となく面白かったり元ネタをほんのり知っている程度でも聴いた事あるなとなる構成で、その点かなり原作のコンセプトを反映している。制作の有能さがよく解る作品。

声優ネタや意外性、AC部の使い方など全体的にクオリティが高い。執念を感じる程のネタのオンパレードでツッコミが追い付かないの本当に凄いな。あらゆる既存ネタをスタックして殴ってくる暴力的な作品だが、コンセプトの異なる小ネタの波状攻撃からは制作の驚異的なネタ収集力を感じる。最初から最後まで安定して面白い作品で大変よろしかった。

誰にでも観て欲しいという訳ではないが、オタクコンテンツに馴染みのある古いオタクはきっと楽しめる。是非とは言わないまでも興味が沸いたら観てみて欲しい。

ストーリーを無駄に考察して「本当に凄い作品だから観て!」とかアピールしてるようなナンセンスでおもんないオタクは帰れ。

 

A.I.C.O. Incarnation (ボンズ)

Netflix限定配信アニメ。作画のクオリティはとんでもないがストーリーラインが直線的で中盤以降は結構飽きる。

物語の根幹に関わる謎や背景が序盤で公開されてしまっているので、後は変異するマターの新型に対応するだけの展開になっているのが微妙なんだよな。実際蠢くマターの作画だったりメカデザだったりいろんなところに光る部分があるのだが、人物の掘り下げも甘く共感性に欠ける。常に予期せぬ事態と時間に追われる構成で、ずっと緊張感だけで物語が維持されているのも好感が持てない。(プロならいろいろ予測して戦術的にプラン立てろよというツッコミどころが多い) 急に良く解らない恋愛描写だったりが出て来るのもポイントが低い。やるだけやって大団円ってのも何というか微妙なんだよな。叩きまくってはいるけどジャンクに楽しむ作品としては悪くないと思います。

ジャンクなSFを良い作画で楽しみたい人にはお勧めできるが、重厚な物語や新規性のある良い作画を楽しみたい人にはあまりお勧めできない作品。設定は面白いがお話しが未熟な印象。もうちょっとな~うーん。

 

B: The Beginning (ProductionI.G)

これまたNetflix限定配信アニメ。まだ7話までしか観られていません。英語ベースで作られているのか日本語に不自然な部分が多い。作品のコンセプトは面白いが、テンポ感の悪さやバックグラウンドの不明瞭さも相まっていまいち乗り切れない作品となっている為、あまりお勧めできない。

現代推理アクションものではあるのだが、事件が人知の及ばない現象を前提としているのに加え、真相に迫る登場人物がぶっ飛んだ天才なので最後まで観ないとスッキリしないんだろうなと感じる。私にとっては序盤が結構苦痛で、好き嫌いがかなり分かれる作品かなという印象。

作画は極めてよく、仕上がりは美しい。背景美術に良く馴染むモーションも自然でリアリティのあるレイアウトも推せる部分なので、数話観て好きそうなら観てくださいとしか言いようがない。個人的にはそんなに好きではないが最後まで観はするだろう。

 

博多豚骨ラーメンズ (サテライト)

俺は好きだよ。特に余計な伏線のない直球なシナリオが大変よろしい。観ていてストレスが全くない。作画に関しても少し甘い部分はあるものの悪くはない。ベーシックな現代アクションものとしては十分なクオリティで、誰にでもオススメできる作品。ただ自分がヤスカワショウゴの脚本が好きなだけ説は大いにある。

極めてシンプルで、無駄な飾り気のない良い作品。それぞれのキャラの立ち方をはじめとして登場人物がすぐに覚えられるデザインが優秀で、観ていて本当にストレスがない。物語以外に気になる点がないため物語にスッと集中できる構成。この作品の最大の強みであるシンプルで面白い脚本を生かすための数々の工夫が感じられる良作なので、アニメにあまり触れていない人にこそオススメできる。

各人物の過去や個性に触れながら物語は展開し、人口の5%が殺し屋という設定が上手く生かされ、考察を抜きにして全てのラインが綺麗に繋がる美しい構成で、安易でジャンクなお話しではあるが十分に楽しめる作品だと言える。

みんな観て一緒に良さを語ろうね。

 

三ツ星カラーズ (SILVER LINK.)

原作通り毒にも薬にもならない作品。アニメ化するだいぶ前から原作を買って読んでいる(イキり)が、原作通りめちゃくちゃ面白いわけではないが別につまらない訳でもないタイプのお話。原作に忠実と言われればその通り。誰かにオススメできるかと言われればオタクにはオススメできる。

三ツ星カラーズは男社会の物語だ。小学生の頃に俺たちが抱いた幼く淡い幻想を、女子小学生が実現するという形で昇華している。秘密基地も、謎のアイテムを定期的にくれるおっさんも、構ってくれるお兄さんも、どれもが「男子小学生の夢」なんだよな。だからどうという訳ではないが、まあそういうのが好きなオタクは楽しめたんだろうな。

声優力が弱くとにかく斎藤がただのクソ野郎だったのが大変微妙だったが、まあ原作でもそこまで変わる訳ではない。EDのめばち絵を楽しみ、OPでブチアガるだけの作品だったなと思う。

オタクは好きだと思うしオタクは観たら良いと思う。私はオタクじゃないので別にそこまで好きではないです。嫌いでもないけど。

 

グランクレスト戦記 (A-1 Pictures)

私は好きだしグランクレスト戦記は実際かなりの良作だ。作画、脚本ともに大変攻めた作品で、好みは別れるとは思うがマニア向けの良い作品だと言える。作風が古く、どうしても好きになれない人はいると思うが、それを補って余りある作画努力、そして昨今稀に見る省略しない真摯な脚本。グランクレスト戦記は隠れた名作だとそう思う。

登場人物が極めて多く、どうしてもそれぞれの人物の心理描写や背景などが十分に描かれていない。その分物語の展開が早くどうしてもそういった点での面白さには欠ける。ただ、作品の大きなコンセプトとして成り上がりや貴族の術策がメインになってくるため、そういうものだと納得した上で観れば気にならない。物語自体が非常に複雑でありダラダラ観てるだけでは把握できない部分もあるが、全体としてはよく出来た作品だと言える。

作画に関してはおそらく制作が間に合っていないのだろうという事が伺えるが、それを補って余りある緩急がある。描くべき部分は丁寧で濃密な筆致で描かれており、観るべき部分は非常に多い。唐突に始まるセックスをはじめとして、物語の進行上必要なものは省かないというスタンスも攻めており好きな人は絶対好き。私は好き。

OPの良さも極めて強く、大変推せる作品。誰にでもオススメできるという訳ではないが、メディアミックス作品としては至極の出来となっているため興味のある人間には是非とも観て頂きたい一作。語ろうや……。

 

りゅうおうのおしごと! (project No.9)

うーんこれはたぶん私がターゲットじゃなかっただけで面白い人は面白いと思えるんだろうな。ロリ要素が余計過ぎて要らねえだろこれという感情しかわかなかった。まあ合法プニ穴は完全に欲しいんですけど。

その辺りのロリ物語を何か作業しながら観る事で除去しさえすればアツいスポコンのエッセンスは根底に存在する為十分楽しめる作品。作画に関しては申し分なく、大変よく出来ている。ただ先ほども述べたようにノイズがデカすぎるので好きではない。

語るべき部分は少ないしキャラクターがみんなキワモノなのであまり共感できないというのもひとつあるかもしれない。心理描写はそれなりしっかりしてるので行動原理をトレースできる点では評価に値する。ちなみに一番人間性のある佳香さんのお話は構成が上手くちょっと涙ぐんだが太い実家に甘えてて真の共感には至れませんでしたね。全員殺す。

オタクとかロリコンは観て満足したらいいと思うし、熱血スポコンものが好きな人は作業の片手間に観たら良いと思うが該当しない人間は別に観なくて良いです。

 

ハクメイとミコチ (Lerche)

原作がめちゃくちゃ好きなので本当に残念だった。演出が極めてダサく、ハクミコの良さであるディテールの省略が著しくどうしても落胆せざるを得なかった。小人の世界を描くにあたって大事な絵的要素が捨象されてるのが本当に悲しい。

演出のダサさは本当に極まっていて、英語字幕に日本語訳が括弧つきで書いてあったり、そこは別に良いだろという余計な演出が無数に見られて本当につらい。漫画っぽさを出す枠きり型のレイアウトも散見されたが、原作感を出したいならそういう小細工じゃなくてちゃんと描いて欲しかった。本当にダサい。

テンポ感も極めて悪く、原作を観てなければそれなりに楽しめるかもしれないが原作を読む事しかオススメ出来ない。アニメハクミコを観るくらいなら原作を読んで欲しい。

 

スロウスタート (A-1 Pictures)

よく動くゴミ。生徒と教師の濃厚な百合と意味不明な程ぬるぬる動く作画以外に観るべき部分はない。あとはただの虚無である。こんなクソみたいな作品に作画力投入してないでダーリン・イン・ザ・フランキスとかグランクレスト戦記に注力しろよ。

物語としては中学浪人した主人公が友達に言い出せなくて云々みたいなところを主軸としつつ他の登場人物の百合についていろいろ描くみたいなそういう内容で、友達の基準だったり勇気を出すその一歩だったりについて煩悶する過程が描かれているんですが、別にそれは宇宙よりも遠い場所で十分描かれているので観なくて良いです。生徒と教師の濃厚な百合以外に観るべき点はない。

という訳で別に観なくて良いです。

 

七つの大罪 戒めの復活 (A-1 Pictures)

1期に比べてインフレした事もあるが、そもそも七つの大罪自体がそんなに面白くないという事もあって大して面白いものではない。1期を観た人にもオススメ出来ないし観てない人にはそもそも観なくて良いですとしか言いようがない。

 

刀使ノ巫女 (Studio五組)

陳腐の一言に尽きる。作画・脚本・設定・音響、全てにおいて他作品の平均を下回る作品。テーマ性や設定などどれをとっても他作品で描かれてきた内容で、その組み合わせにも新規性が見られない。感情的な強さがある訳でもないので、少女たちが慣れ合う様子を観たい人だけ観ればいい。

メディアミックスというのは名ばかりで結局はスマホゲーの販促アニメだったなという印象。作画も序盤からかなり怪しく、終盤も回復したり何だかんだする訳でもないので、観たい人は把握した上で観て頂きたい。観ていてストレスがある訳ではないが、観る価値はない。

 

オーバーロードⅡ (マッドハウス)

1期よりは好きかもしれない。1期は最後まで観た結果「何でこれは2期やるんだろうな」と思っていたが、2期に入って主人公ではない一般人のお話しも入ってきて、共感できる部分が増えてきた事で良さが大変高まってきたように感じる。

だからと言って異世界転生云々は既に様々な作品で描かれてきたものではあるので別にオススメできるものではない。1期観て好きだったんなら観たら良いんじゃないのかという程度です。

 

キリングバイツ (ライデンフィルム)

クソアニメ。良いところが微塵もない。最後まで惰性で観てしまったが完全に時間の無駄だった。何処にも良いところがない。ちょっとくらい良いところを探そうかと思ったが何処にも良いところがない。観なくて良いです。