2018年春アニメ所感

暑さが増し梅雨時の湿気がより不快に感じられる今日この頃みなさんいかがお過ごしでしょうか。

私は無限にVTuberの動画を観てしまいアニメに割く時間が大変削られており難儀しております。

まあ今期はどちらかと言えば不作だったように思うので良いんですが……。

ただ、不作とはいえ数作大変素晴らしい作品も見受けられ非常に嬉しい次第です。

それではさっそくいってみましょう!

 

ひそねとまそたん (ボンズ)

間違いなく今期の覇権。デフォルメされた挑戦的なキャラデザが特徴的な作品。

高校卒業まで孤独で、人格に多少問題のある主人公の甘粕ひそねが空自に入り、航空機に擬態するドラゴン(通称OTF)の「まそたん」や他のOTFパイロットたちと出会う事で成長するという物語。

大切だと思えるものの少なかった甘粕ひそねは、OTFパイロットとして生きるにつれ少しずつ大切な物を見つけてゆく、そして最後には多くの人々から信頼され、自分自身を大切に思ってくれる人々に囲まれる事となる。王道の展開ではあるものの、その途中で起こる様々な事件や一癖も二癖もある登場人物たちの個性が重層的に物語を構築し、素直で優しい物語でありながらも複雑で滋味深い仕上がりとなっている。

コミカルな展開や笑える演出、加えて甘粕ひそねを始めとする登場人物たちの個性など、とにかく笑いながら観る事の出来るライトな作風だが、だからこそ彼女たちの心の内にある苦悩が強調され、作品全体の展開にメリハリがあるだけでなく共感性に深く響く作品。

作画に関してもさすがボンズというだけあって見ごたえがあり、どのカットを切り抜いても一枚の絵として仕上がっている点でも評価できる。作画の乱れなども全く感じられず(これはキャラデザが秀逸だったからかもしれない)、12話全編を通して安定感のあるボンズ絵を堪能できる。また、OTFの航空機に擬態するという特性上、メカ作画まで堪能する事が出来るという欲張りセットだ。更には水や空、雲の描写が極めて美しく、美術の腕が光っているのもポイント。デフォルメされたデザインに合う水彩調の背景は絵をしっとりと包み、登場人物に実在性を与えている。

加えて音楽も大変良く、OPEDもさることながら、各シーンで流れるBGMは作風とぴったりと合い、まさしく総合芸術と呼ぶにふさわしい。

ひそねとまそたんに関してはまだまだ語りたい事がたくさんあるが、ネタバレになってしまうのでブログではここまでで留めておこうと思う。同好の士は是非とも直接語り合おう。本当に素晴らしい作品なので観て損は絶対にしません。観ましょう。

 

メガロボクス (トムス・エンターテイメント)

拳でしか語り合う事の出来ない馬鹿な漢たちの最高のアニメ。ひそねとまそたんと肩を並べる今期の覇権。個人的な好みでひそねとまそたんを初めに推したが、メガロボクスも同等の超良作。アニメ史に残ると言っても過言ではない。

市民IDを持たないボクサー「ジャンクドッグ」がコーチ南部贋作と出会い、「ジョー」としてロボットボクシングの世界大会メガロボクスに上り詰める物語。あしたのジョー連載50周年作品という事で気合いの入り方が尋常ではない。これは漢の物語であって、昨今の軟弱なアニメとは一線を画する。真にホンモノを見出し、己自身がホンモノになろうとする熱い漢たちの魂のぶつかり合いに震えろ。

本作のテーマのひとつとして「ホンモノ」を極めるというものがある。コーチの南部贋作は地下暮らし時代はその名の通りハッタリで鳴らしたコーチだったが、彼が見出したジョーという男は紛れもなくホンモノで、南部自体の気持ちもジョーという才能に魅入られ変化する。ジョーのライバルである勇利も事実ホンモノであるが、ホンモノであるが故の苦悩と葛藤をその身に宿しながらもジョーに魅入られ、己自身を雇用主の意向に沿うだけの飼い犬ではなく一匹の獰猛な獣へと変容させる。

この作品は主人公のジョーのみならず、あらゆる登場人物が魅力的な作品だ。ジョー、南部贋作、勇利、それにとどまらずライバルの勇利の雇用主である白戸一族の面々もまた、ホンモノであるジョーや勇利を見て、感じて、その行動を自身の思うままに変えてゆく。何処までも気持ちのいいその物語には一片の曇りもなく、ただ最後のひと試合の為に誰もが己の人生を尽くすのだ。

この文章は最終話を見た直後に書いているのだが、いつ手を止めればいいのやら解らないのでこの辺りで止めておく。作画や何やは文句なしだ。全てがあまりに素晴らしく調和が取れており語るに落ちる。興味を持ったのなら観ると良い。君が真にホンモノに焦がれる熱い者なら、涙を流して狂喜する事だろう。

 

弱虫ペダル GLORY LINE (トムス・エンターテイメント)

言わずと知れた弱虫ペダルの続編。2度目のインターハイを巡る攻防の中で描かれる熱い友情や感情はこれまでのシリーズと同様こちらの心を強く揺さぶってくる。

前作同様のクオリティは担保されておりそこまで語る事は少ないが、手嶋と青八木が「普通」の強さでチームを牽引する様はこれまでの物語を観てきた人間にとって涙なしには語れない程良いエピソードだった。これまで苦悩し、工夫し、共に歩んできた二人だからこそ出せるそのパワーは去年の三年生にも匹敵する程の頼もしさだと伝わってくる。去年に比べチームが弱体化したとはいえ気持ちの力でつなぐチーム総北の走りは健在で、様々な感情を呼び起こしてくれる良作。

作画や演出に関しては前作同様あるいはそれ以上のクオリティなので特に語りようがないが、トムスの安定感には舌を巻く。さすがと言ったところ。

これまで同様良い作品でした。ありがとう。

 

僕のヒーローアカデミア (ボンズ)

相変わらず素晴らしい作品。ボンズひそまそに加えヒロアカまで作ってるとか狂ってるぞ。いよいよ3期になりラスボスが明確な形で現れたりと物語もいよいよ盛り上がってきたわけだが、安定したクオリティに加え、2期体育祭並みの迫真の作画も観る事が出来非常に満足感の高い一作となっている。

個性と呼ばれる特殊能力を持たない主人公緑谷出久が憧れのヒーローオールマイトから個性を継承し、ヒーロー養成学校である雄英高校に入ってヴィランたちとの実戦などを通して成長していく物語。今期はオールマイトの個性完全消失や、先に述べたラスボスの出現などとにかく物語のターニングポイントとなるクールだった。全体的に作画クオリティが高いのだが、特に42,48,49話では圧巻の作画が観られるためオススメ。そこだけ観ても十分楽しめるので今から追い付くのがキツいという人はそこだけ観ても良いかもしれない。48話に関しては2期の体育祭でも観る事の出来た橋本敬史氏によるド級のエフェクト作画を拝見できるので実に良いぞ。

シリアスな場面が多かった今期、1期の始めに見られたような寒めのジョークがほぼ無くなっており、少年向けアニメとしてだけでなく大人が観てもひっかかりのない仕上がりになっている。いや本当に良い作品だ。作画の迫力がとんでもないだけでなく物語としても面白く演出もクール。もろ手を挙げて評価出来る作品です。

 

食戟のソーマ 餐ノ皿 (J.C.STAFF)

さすがの食戟のソーマ。3期もしっかり堅実に面白い作品を作ってくれた。2期での駆け足気味の展開も前クールからのこの3期で落ち着き、毎話見所のある楽しめる展開も相まって1期以上の仕上がりとなっているように感じる。

遠月学園で研鑽を積む主人公幸平創真が進級試験として北海道で料理バトルを繰り広げる今期、見所はやはり薙切えりなの成長だろう。これまで絶対的な存在だった父親に盾突き、更に格下として接してきた幸平創真たちと研鑽を積む展開には思わず心がアツくなる。過去に因縁のあった薙切薊と幸平の父城一郎との関係性や両親子の対比など、物語がぐっと進展すると共にただの料理バトル漫画に留まらぬ展開を見せており文句なしに面白い。また、葉山アキラと魂をぶつけ合う食戟や一色先輩の本領発揮など何処を取っても面白い原作のつよさが存分に生かされている点でも素晴らしい。

作画面でも非常に優秀で、ご飯が美味しそうに見えるのは当然の事として、相変わらずおはだけシーンのえっちさや日常シーンでの安定感のある作画など、それぞれのシーンでインパクトのある絵を出せる強みは健在だ。

物語としての面白さ、バトルモノとしてのアツさ、作画の優秀さ、同シリーズのこれまでのクールと比較しても特に良かったように感じる。大変良い作品だった。次期も楽しみにしています。

 

ゴールデンカムイ (ジェノスタジオ)

小細工なしの面白さ。全編通してギャグも物語も作画も標準以上を保つ良作。10月から放送されるという2期も楽しみだ。

隠された金塊のありかを示す刺青人皮を集めるため、日露戦争帰りの不死身の杉元とアイヌのアシリパ、そして何人かのゆかいな仲間たちが北海道を旅しつつ敵対勢力と闘ったりする物語。原作未履修だがしっかり楽しめるし原作を買いたいというモチベーションが出る程面白い作品だった。

下手な演出などに頼らない直球の面白さと安定した作画(これはキャラデザに助けられてる部分がある)が両立しておりストレスフリーで楽しむ事が出来る。杉元一行のギャグ展開やアイヌ文化のインパクトなど見どころも多く、毎回新鮮な気持ちで楽しめるのもつよみだ。物語はまだまだ始まりという感じだろうが今後どう進展するのか楽しみ。

笑えるし手に汗握る展開もある。実に良いアニメである事は保証できるしこれからも続く為観ておいて損はしないだろう。

 

シュタインズ・ゲート ゼロ (WHITE FOX)

牧瀬紅莉栖を助けられずシュタインズ・ゲートに到達できなかった世界線の物語。前作と同じく演出に観るべき部分が多く良い作品。前作から登場しているキャラクターに加え新キャラも魅力的に描かれており大変よい。10話のパジャマパーティー回えっちすぎませんか? ぼくはとってもえっちだと思いました。

10話のパジャマパーティー回の話なんですが、各々こわい思いや闇を抱えながらも三者三様のパジャマを着て乳繰り合い慰め合う姿は完全にえっちじゃないですか? いや実際描写としてえっちだったと言われればそれはその通りで、その絵面に引っ張られまくっているというのは当然あるんですが、それはそれとしてもそれぞれの当時のメンタルでアレをして互いに自身の傷を再確認してるのはある種の慰めでありながら自傷にも似ていて、ただ不安を紛らわせるための行為という感じで大変えっちだと思うんですよ。完全にえっちじゃあありませんか?

真に語るべき部分はこれからの物語で語られると思うのでとりあえず今回はこの程度で収めておく。継続2クールらしいのでまだ観てない人はまだ間に合うのでちゃんと観ましょうね。

 

グランクレスト戦記 (A-1 Pictures)

王道成り上がりファンタジーの2クール目。1クール目で回収しきれなかった各君主の個性をそれぞれ丁寧に描いており好印象。作画は良くも悪くも緩急が付いている。

一介の従騎士に過ぎなかった主人公テオ・コルネーロが魔法師協会の魔女シルーカ・メレテスと出会い皇帝に即位し混沌の時代を終わらせるまでの物語。登場人物が極めて多いのが特徴で、1クール目ではそれぞれのキャラの掘り下げが出来ず裏目に出ていたが、今期では上手く各キャラの物語が描かれており面白さが爆発的に増している。切らなくて良かった。

王道すぎると言っても過言ではない王道さで、綺麗事だけで物語が進んでいくのだがそれで良いではないか。うん、良いんだよ。複雑なレトリックや正道から外れた論理を用いて展開する昨今のアニメも当然面白いのだが、本作ほど実直に、ただ正義と愛と道徳を描いた物語があっても良いのだ。人の良い君主が信頼され、成り上がり、そして世界を救う。そんなある種古い物語だって面白いのだという事を示した良作だと思います。

作画に関してはA-1といった感じで怪しい部分が極めて多いが、要所要所で迫力ある画を観る事が出来るので十二分に回収できてるのではないだろうか。(ずっと良い画である必要も別にないのだ) 特に海戦とサイクロプス戦、シルーカ対魔女戦は見ごたえがある。

とはいえ粗削りというか説明過多な部分もあるし演出面でも不満の残る作品ではあるため賛否両論あるだろう。しかしこの時世において挑戦的な作品である事は確かであり、事実物語も十分楽しめるため良作だったと私は思う。諦めずに最後まで観て良かった。

 

ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語- (J.C.STAFF)

他の人がどう思うかは知らんが私はめちゃくちゃ好きなアニメです。絶望の象徴であるスパイラルという怪物を倒す為に存在する「ピリオド」。その団員たちの日常を描くほのぼのギャグアニメなのだが、メタネタやスラング、時事ネタが多用される00年代を彷彿とさせる仕上がりとなっており結構面白い。

個人的にキャラデザが本当に好きで、もうみんなかわいい。主人公一行もさることながら、ライバルのワイズマンや年長組、果てはちょっと出るだけのモブキャラまでみんなかわいい。ああいうぷにっとした質感でふわふわしたファンタジーな服装のキャラデザ大好きなんだよな。

一話完結型のお話で構成されており毎話展開が異なるのだが、予定調和が巧妙に仕組まれており回を追うごとに楽しく観る事が出来るのが大変強い。主人公一行の成長はもちろんのこと、ワイズマンとの共闘や最終話での熱い展開など随所に心震える場面が盛り込まれており飽きない。どこかで見たような話の構成でありながらもキャラクターの個性を生かし、楽しめる作品に仕上がっているところも大変好印象。

J.C.STAFFの安定した作画も良く、かわいいキャラクターがかわいく動くだけでなく、戦闘シーンではレベルの高いモーションを観る事も出来る。あらゆる面でストレスフリーで観る事の出来るアニメなので今期の中でも異色ながらかなりオススメしたい一作。ゲーム販促アニメとしては別格の出来だと思います。良かった。

 

銀河英雄伝説 -Die Neue These- (Production.I.G)

名作銀河英雄伝説の新盤アニメ。原作および前作未履修の為初見だったが十分楽しめた。銀河の覇権をかけて戦う銀河帝国自由惑星同盟との戦争を各陣営の将官を中心として語るスペースオペラ調の作品。恋愛要素の極めて薄い騎士道物語といった感じ。

優秀な才覚を有するふたりの将官銀河帝国のラインハルトと自由惑星同盟ヤン・ウェンリーが共に国家内部の軋轢などを感じながらも己の才能を生かして争うというのが物語の中心に置かれているのだが、ふたりとも人間的に魅力のある人物であり、また彼らを支える登場人物たちも同様に魅力的であるため、観ていて飽きない。当然権力者や既存の利権にしがみつく人間の汚さなども描かれるが、それをはねのけて進む彼らの姿を観ているだけで面白い。作品に苦難は必要なく主人公の才能だけで成り上がれる物語が好まれると言われる時代だが、やはり適度なストレスや苦難は必要だと感じられる作品。

個人的な話になるが、最近Stellarisというゲームにハマっており宙戦などでも概ね共感できる部分が多いので私個人としてはかなり楽しめる作品だが、SFというよりは騎士道物語という感じなのでハードなSF好きなどが名前に釣られて観ると落胆するかもしれない。何せ宇宙航行種族であるにも関わらず生活水準や文化は現代と同じなのだ。

それらの点を含めてもやはり原作を読んでみたいという気持ちがつよく誘起されるという部分で良作なんだと思う。作画や演出、3DCGの迫力などはI.Gという事で言うまでもないだろう。良い作品だったので次期も楽しみにしているのだが劇場公開ってまじ?

 

ウマ娘 プリティーダービー (P.A.WORKS)

Cygamesが展開するウマ娘プロジェクトのアニメ作品。監督の及川啓は今期、後述するヒナまつりも含めた二作品で監督を務めている。P.A.WORKSの描く可愛いウマ娘たちがレースを通じて成長し、最後はみんな仲良く大団円というわかりやすいアニメだ。

ストーリー全体を通してウマ娘の特徴や小さな拘りがよく描かれており、ウマ娘という存在を違和感なく受け入れ、共感する事が出来る作りになっている。ただ、ウマ娘の数が多すぎて端役まで把握しきれなかったり、端役はキャラクター性で印象に残すしかない為に共感性の低い行動が目立つ点で艦隊これくしょんの二の舞を演じているのが残念。とにかくキャラクターを出せばいいみたいな発想はあまり好きではないが最大18頭が出走する競馬だからこの辺りは仕方ないのかなとも感じる。

ただ、主人公を中心としたキャラクターについては良く描けており、ライバルや仲間を効果的に演出できている為話としては十分盛り上がりのある出来になっている。

作画に関しても申し分なく、レース周りの作画は特に安定して良く描けている。

個人的にはYouTubeで配信されているぱかチューブっ!が大変好きなので是非観て欲しい。ゴルシ、結婚してくれ。

 

ヒナまつり (feel.)

ウマ娘と同じく及川啓監督のギャグ作品。安定した作画とテンポ感の良いギャグで満足度はそれなりに高い。好きな人は好きな作品だと思います。

個人的には中高生くらいの感性だったらもっと楽しめていたんだろうと思うが、シュール系の笑いは歳を取るほど響かなくなるので今の私にはそこまでハマる作品ではなかったように思う。ただ、どういった部分が面白いのかという考証を為された上で作られているんだろうなと思うセリフ回しや演出で好感が持てる。

三島さん、アンズ、マオの三人衆が非常に陰茎に響くんだよなあ。可愛くて幼さの残る女の子が酷い目に遭いながらも何だかんだでがんばって生きていく様には射精を禁じ得ない。ありがとうヒナまつり、ありがとう及川啓

作画面に関しては特に1話アバンと最終話Bパートが良く描かれており(一部使いまわしだが)、観るべき部分はある。特に1話アバンのアクションシーンは中割りの入れ方が上手く、テンポと実体感の伴う外連味溢れる表現がよくてかなり好きなシーンだ。全編観る必要は無いが、このシーンだけでも観る価値はある。

 

刀使ノ巫女 (studio五組)

所謂スマホゲー販促アニメ。刀使と呼ばれる女の子たちが無数に現れる荒魂を治めるために奮闘するという物語。2クールものの2クール目。1クール目は前回の記事を参照してもらえればわかると思うが大変陳腐なお話だったため今クールもあまり期待はしていなかったが、結論から言うと期待以上の出来だった。

作画面では前クール同様そこまで良くはなく、アクションシーン(特に最終話の師匠との立ち合いなど)に一部眼を見張る部分があった程度ではあるが、キャラデザがかわいいのでまあ良いかなという気持ちになる。

前クールが陳腐なスマホゲー販促アニメに留まっていたのは、登場人物を増やした割に各人のキャラクター性のみを強調していたからという部分がつよいが、今クールではそれぞれの物語や性格を掘り下げる事で物語全体を重厚にする事に成功している。特に年増勢や親衛隊の先輩勢の物語はかなりしっかり作り込まれており十二分に楽しめる出来だった。

とはいえ全体の物語やアニメーションとしての面白さには特筆すべき部分があまりなく、それらの面では陳腐である事を指摘せざるを得ない。先ほど述べたように個々の物語にフォーカスして観ると面白い作品であるため、相性の合う人は合うのではないかと思う。

 

七つの大罪 戒めの復活 (A-1 Pictures)

七つの大罪の2期2クール目。前期では冤罪をかけられた七つの大罪たちが王国に巣食う魔神を打ち倒すという物語だったが、今期では十戒という魔神集団を相手に大立ち回りをする事になる。インフレが酷い。

面白いかどうかと言われると、小学生ならたぶん面白く観る事が出来るという感じ。つよい異能使いがバンバン出てきて殴り合うとか、えっちな体つきの女と主人公がいちゃつくとか、まあその程度の物語性なので大したお話ではないですね。作画に関してはアクションシーンでは迫真のアクションを観る事が出来るため、アクションシーンだけは観ても良いかもしれない。

インフレしすぎてこれまでそれなりに強力だった敵が完全にちょっと強いモブ扱いされてるのが可哀想だったり、戦闘力をわざわざ数値化する必要があるのかどうかという疑問があったり、まあこの辺りは原作の問題だと思うので特に言及するまでもない。

とにかくつよいやつらがつよい力でよく解らん因縁のある敵と殴り合っているのが観たければ観れば良いと思います。オススメは別に出来ない。

 

こみっくがーるず (Nexus)

アバアバうるさい。 自信の無い若手漫画家が寮に入って一緒に研鑽しあえる仲間を見つけて共に生活する事で成長していく物語。作画は安定しておりキャラクターも可愛い。ライトな百合もそれなりにありとそこそこ良い作品だとは思うが主人公のかおす先生が最終話まで叫んでるだけでほぼ成長しないので個人的にはあまり好きでない。

とにかくアバアバ叫んでれば何とかなると思ってんじゃねえよという感じだが、それなりに個々人が思い悩みそれぞれの将来や現状について考える部分はまあ良い。

いや本当に絵としては綺麗で可愛いんだけどただただあまり好きじゃないんだよなあ。それだけ。終わり。

 

鹿楓堂よついろ日和 (ZEXCS)

イケメン四人が経営するカフェを舞台とした物語なのだが、基本的に「イケメンが美味い料理を作れてすごい」「イケメンが季節のデザートを作っててすごい」「イケメンが美味いコーヒーを入れててすごい」という部分を中心にして物語が展開するので観ててしんどい。(イケメンが好きな女ではないので)

ただ、イケメンを中心として周囲に集まってくる人々とのハートフルなふれあいや、主人公一同の過去に触れる物語には見所があり、普段は流すように観ているものの良い回では食い入るように観てしまうほどだった。特に過去に触れつつ進む主人公の物語は語られ過ぎずいい塩梅で情報が提供されるので面白かった。さすがは赤尾でこといったところか。

作画に関しても良質で、特に料理の作画は本当に美味そうで困る。どのシーンを取っても絵になるという点でも評価できる作品だった。しかしやはりターゲットが自分でなかったのであまり楽しめなかったように感じる。イケメンが凄い事をやってるのが好きな人間は観ると良いと思います。

 

鬼灯の冷徹 (スタジオディーン)

作風に一切ブレが無いので一期の頃から印象などが全く変わらないのすごすぎるな。もうサザエさんみたいなもんだろこれ。という事で鬼灯の冷徹に関する感想は過去のブログを参照してください。いや本当に感想は全く変わらん。登場人物が増えただけだよまじで。よく物語のストック尽きねえな。天才だよ。

 

多田くんは恋をしない (動画工房)

しゃらくせえ。宮野真守がうるせえ。全体的にイライラする。何が多田くんは恋をしないじゃバッチリしとるやないか○すぞ。絵は綺麗。演出も良い。ただ全部が生理的に受け付けないというか全てのキャラと全ての物語が茶番の為に作られた存在という感じで、その癖して「どうですか? こういう物語胸に来るでしょ? 恋愛したくなるでしょ?」みたいな上から目線の押し付けを感じるので全員○すぞという気持ちになる。良いか、この世界に一匹エイリアンを落とすだけで全員無残に死ぬんだからな。あと宮野真守うるせえ。演技が下手。女オタク向けの安っぽいボイスドラマに帰って二度と娑婆に出てくんな。

 

ヲタクに恋は難しい (A-1 Pictures)

観る産業廃棄物。観るだけ損なので観る必要は無い。A-1はこんなゴミみたいな作品をノイタミナで作る余力があるのなら他作品にちゃんと人間を回して欲しい。グランクレスト戦記みたいに挑戦的な作品もあるんだからしっかりしてくれ。ヲタ恋はゴミ。最終話まで観るのが本当に苦痛で毎週30分の受刑でも心を殺されかけた。

 

ダーリン・イン・ザ・フランキス (TRIGGER × A-1 Pictures)

録画ミスが続き途中までしか観れてないので観ます。