2016年夏アニメ私感

2016年夏アニメもすべて終了いたしまして。

今期も良い作品が目白押しだっただけに観るのが大変でした。嬉しい忙しさです。

 

今回も独断と偏見でアニメを

S: 非常にオススメ出来る作品

A: オススメ出来る作品

B: オススメする程ではない作品

C: オススメ出来ない作品

D: 切った作品

の5つに分類しました。ネタバレも多少含みますのでご承知ください。

ちなみにDの切った作品では切った理由を述べるという形になっています。

 

では今期の総評いってみましょう!

 

S: 非常にオススメ出来る作品

甘々と稲妻 (トムス・エンターテイメント)

非常に世界観づくりが上手く、優しく引き込まれる作品。パステルな色合いと可愛らしいキャラデザが相まって、キャラクター(特につむぎちゃん)の仕草やちょっとした目線の動きが映える。特筆すべきはその温かくも考えさせられる脚本で、毎回はっと思わせられるセリフや描写があった。作画に関しても特に調理時などの食材描写が非常に良く、全体的なバランスが取れており好印象。7話でつむぎちゃんの想像の世界が音楽と共に描かれる表現や8話で海に落ちた時の表現など、挑戦的な点も多くかなり良い作品でした。今期で最も愛をくれて、最も温かくしてくれた作品でした。ありがとう。

 

モブサイコ100 (ボンズ)

モブサイコ100の最も素晴らしいところはその作画だ。特に回り込みやパンなどの激しい動きのアクションにあっても、空気の流れや中割りなどの工夫が感じられる繊細にして大胆な良作画だったと感じる。作画に関しては本当に今期イチだった。また色彩のセンスが抜群によく、ビビッドで蛍光色を上手く配した色彩が目を引いた。脚本に関してはONEさんの原作があるから面白いは面白いのだが、セリフなどの間の取り方が上手く、声優(特に大塚明夫櫻井孝宏)の力を最大限に引き出すギャグセンスだったと感じる。観ていて本当に面白く、一時たりとも目を離せない良い作品でした。素晴らしい。 

 

あまんちゅ! (J.C.STAFF)

美しい背景と人の心の機微を良く描いた作品でした。てことぴかりという2人の関係からてこの内面が少しずつ変わっていく様子を描いた物語だったが、その穏やかな空気感と自然な心情描写からスッとてこの感情に移入して物語を観る事が出来た。また、デフォルメのタイミングの巧さやその可愛さの洗練され方は絶妙で、愛らしいモーションなどと共に楽しむ事が出来た。またちゃ顧問やお姫の動きの良さは随一で、心の底から可愛いと思えた。おそらくは人を選ぶ作品だが、これほど人の心を繊細に描いた作品も珍しいのでSとさせて頂きました。大変良い作品でした。

 

NEWGAME! (動画工房)

NEWGAME!はいいぞ。始まる前は「いやーこれはアニメ化しない方が良いでしょ」くらいに思っていたが、動画工房さんが形にしてくれました。ありがとう!女の子の可愛い様子を大変良く表現しているアニメで、ひたすら心を救われた。作画は丁寧でクオリティに変化がなく、動きに本当に力を入れているなというのが解る出来だった。特に青葉ちゃんの着替えシーンなどは素晴らしいモーションの凝り方で、髪や布の流れがかなり自然だった。中割りの巧さが光る作品だったと感じる。物語自体も上手く12話で収められており、一話毎の構成もバランス良く楽しめるよう作られていた。日常系アニメの入り口としても紹介できる作品だったと感じます。大変良かったです。

 

A: オススメ出来る作品

テイルズオブゼスティリア ザ クロス (ufotable)

ufotableの作画力やCG力が存分に生かされている作品。特にパーティクルの表現が精密かつ繊細で、空気の流れや物体の動く様が手に取るように解るようになっているのが本当に凄い。どうなってんだアレは。脚本としては王道展開ながら毎話区切りとなる戦闘があり、見せ所が浮かび上がる構成になっている。正直雰囲気アニメという部分が強いが、その分雰囲気をしっかり作り上げているので見ごたえがある。本当に作画と雰囲気が強すぎて脚本が弱く感じてしまったりする部分も多く、総合的に見れば非常にオススメ出来るとは言えないというだけで、Aの中でも随一の良アニメだと思います。良い作品でした。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係 2nd (プロダクションアイムズ)

本当に面白い作品でした。王道と非王道、古めかしい表現と近未来的な設定とが複雑なバランスで組み合わさっており、脚本・演出などが抜群に良い作品だったと感じる。1期も面白かったが2期はよりギャグ目線で意欲的で、キャラを強く生かした特撮的な面白さを追求していたように感じる。「男の子」なら好きにならざるを得ないような熱い展開やギミックなど、それらが違和感なく物語に馴染むようによく全体が調整されていて大変面白い。ただ、作画がかなり崩れていた事(H×Hなんてしょうもないものを作ってないでこっちに人員を回してくれ)や終盤(特に最終話)で駆け足になっていた事も鑑みて、大変オススメ出来るとは言い難い。3期もあるという事で次も期待したいところ。

 

クロムクロ (P.A.WORKS)

いやあ良い作品でした。ありがとうクロムクロ、ありがとうP.A.WORKSP.A.WORKSにしては少し異色の作品だったように感じるが、最後の最後までしっかり纏め上げられた作品だったと思います。とにかく脚本が絶妙で、登場人物の個性とその思想が言葉や所作から伺えるような作りになっていた。全体の設定や何かに関してはSFらしさもありつつ最後には大団円を迎えるような構成で、何から何まで目新しさと面白さで目白押しだった印象。作画については序盤がかなり良く、終盤ダレてきたというか崩れが見られる部分もあったが、最終話でしっかり取り戻してくれたので良かった。(ちょっと怪しかったけど) ともあれ全体的に見れば本当に良い作品で、作画の崩れと終盤の駆け足感が無ければSに入れていた作品でした。良い作品でした。ありがとうございました。

 

91Days (朱夏)

作画崩壊さえなければ本当に良いアニメでした。シリーズ構成と脚本の大半を岸本卓氏が担当しているだけあって、やはり背景設定や人間の思考などかなり重厚なストーリーを味わう事が出来る作品。1~4話に関しては作画・背景など諸々込みで文句なしに質の高いアニメなので是非観て欲しいのだが、5話から凋落が始まり7話で完全に死んでしまった後そのまま作画は低空飛行でゴールインという状態だったのが本当に惜しい。演出なども凝っており、コンテのレイアウトも安定して良いものだったという事もあって残念だが、脚本に関してはまれに観る良ピカレスクロマンだった。作画以外は一級品の良い作品でした。

 

食戟のソーマ 弐ノ皿 (J.C.STAFF)

1期に引き続き大変良いクオリティ。全体的におはだけが少なくなりおっさんのおはだけの割合が高くなっていたが、お話としてはやはり十分に面白かった。個人的に薙切アリスちゃんの出番が多くてシコチャンスだらけだったのが最高だ。いや最高でしょ薙切アリスちゃん。前半はJ.C.STAFFだけあって作画のクオリティも高く質の良いアニメという感じだったのだが、スタジエールが始まったあたりから作画の質がグッと落ちたのは制作が詰まっていたという事もあるのだろうが残念だ。全体的に非常にテンポが早勝ったという点も踏まえてSには入れませんでしたが、良いアニメである事は確かだ。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (マッドハウス)

正統派軍記物アニメでした。いや滅茶苦茶良かった。本当に良い作品でした。はじめはキャラデザが気に食わなくてなんだかな~うーんと思っていたのだが、構成をヤスカワショウゴ氏が手掛けているだけあって非常に完成度の高い物語と描写が特徴的で、最終話になる頃にはまだかまだかと放送を待ち侘びる程だった。マッドハウスが作っているだけあって映像がかなり美しく、細かいところまで美術設定が行き届いていたのが印象的。文化的な背景が暗に示されつつもそれが良いアクセントになるような構成で、観ていて飽きないアニメでした。アクション作画も唸る程繊細美麗で大変良い作品でした。確実に2期もあるので楽しみにしています。ありがとうございました。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない (david studio)

やはりジョジョは安定して面白いしクオリティも高い。やっぱり原作が面白いものを1期から継続してノウハウがあるdavid studioが作るとそりゃ面白くなるよねという感じだ。全体的にバランスも良く、間の取り方や単話としてのシナリオ完結具合も素晴らしい。ただ作画に関しては海外メインの回が増えており、そこが不安定になるポイントだったように思う。1クール目序盤は色彩の指定も目新しさがあり統一感もあったのだが、現クールではその統一感が若干失われている回が見受けられたのでその辺りも評価しづらいポイントだ。もちろん総合的に見れば良い作品でした。

 

B: オススメするほどではない作品

DAYS (MAPPA)

まあ熱血だよねというだけのアニメ。登場人物がみんな清々しい男子高校生って感じなのでスッキリと観る事が出来るが、ただただ走って頑張るだけのアニメなので、12話終えての発展性がない。最終話で何となく精神面での変化のようなものを観る事が出来たが、そこまではともかく熱血。走る馬鹿を観て一緒に熱くなって終われるだけの人には是非観て欲しいアニメだが、何かを得られるかというと他のものを観た方が良いかもねという感じ。作画はMAPPAだけに安定はしている。オススメする程ではない。

 

C: オススメ出来ない作品

マクロスΔ (サテライト)

マクロスシリーズの中では駄作だなあという印象。背景の美しさや美術設定に関しては今期でも随一だが、脚本や作画があまりよろしくない。脚本は敵側の設定がしっかりしたもので、相手の意図やそういったものが汲めるように出来ているのだが、主人公陣営はそれを叩く事を目標とした主義なき戦いになっているという点で移入がしづらい。 また、最終的に強烈な色恋沙汰の精神論でぶち抜くだけなので食傷。歌姫であるはずの美雲さんがかなり不遇でメインを張る機会が少なく、東山奈央なりが歌を邪魔しているという印象も強かった。正直なところ期待していただけに残念だ。

 

Rewrite (エイトビット)

1クールで終わる事を前提としていないのはわかるがあまりにもお粗末な出来。作画に関しては特にそうで、中盤以降作画がひどすぎて物語に集中できないレベルなのは如何なものだろうか。確かに序盤の掴みや全体の物語の流れに関してはkey作品らしい良いものだなと感じるが、一話一話の脚本や情報の分量がかなり雑。非日常パートに移ってからの展開の速さと作画の雑さが相まってどうにも処理できない状態になっていたのが非常に厳しい。あと最終話での花澤香菜の演技が滅茶苦茶に下手で、声優にあまり興味がない私としてもあれは腹が立ってしまうレベルだった。次期は観ません。

 

D: 途中で切った作品

この美術部には問題がある! (feel.)

この美を切ったのはひとえに自分の不甲斐なさの致すところというか、恋愛ものを観るのがしんどかったというただただその理由だけなのでまたいつか観られるようになったら観ます。作画が非常によく中割りの工夫やもういろいろが大変良かったんですが如何ともし難い丹田のモヤモヤがですね。はい。

 

クオリディア・コード (A-1 Pictures)

いやもうキャラがキツいのが無理だったんだけど、それを我慢して観ていたら作画崩壊ですよ。観ていられないなと思って切りました。以上。

 

チア男子‼ (ブレインズベース)

単に時間があれば観ていたかもしれないが、正直頑張ってる男子大学生を観るのがキツいという部分もあった。まあモーションの作画は大変良くて、特に演舞の部分に関してはもう文句のつけようもないというか大変素晴らしかったのだが、それ以外の部分がかなり蛇足に感じてしまったというのも観なくなった理由のひとつではある。もう少し高頻度で良作画が現れていれば視聴継続していたかもしれない。

 

タブー・タトゥー (J.C.STAFF)

アクション作画は大変良かったと思います。というか監督が出す回り込みやPANの激しいアクションをよくあそこまで捌けたなあという印象。さすがJ.C.STAFF。しかし如何せんあの空気感というかシーンぶつ切りの演出や臭すぎるセリフ回し、空気をぶち壊す下ネタなどがどうにも性に合わず切りました。あれは監督のオナニーでしょ。

 

魔装学園H×H (プロダクションアイムズ)

魔装学園はちんちんのみをターゲットにしたアニメなんだろうけど単にちんちんがそこまで欲しなかったというのが切った理由でありそれ以上でもそれ以下でもない。というかスケベメインの作品ならもうちょっとスケベ作画を何とかしてくれ。